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最終更新日:2025年9月18日

FAQの作り方|基本からAI活用トレンドまで徹底解説

Webサイトを使ってマーケティングを行う際に、FAQを作る必要性も出てきます。この記事では、FAQの作り方と注意点などの解説をします。企業がWebサイト上にFAQを掲載するメリットは、顧客は自らの疑問を解決させることができ、満足度が非常に向上する効果です。FAQを作成し、高い顧客満足度を得ることで、売上の向上も目指せるでしょう。

1. FAQとは

FAQは、「Frequently Asked Questions」の略称で、直訳すると「よくある質問」となります。よく比べられる言葉に「Q&A」があり、こちらも質問と回答が列記されています。FAQはQ&Aの一種です。主に顧客が疑問を持ちそうな質問や、問い合わせ数の多い質問を集めて回答と共にまとめられているものを指します。最近は、チャットボット形式のFAQも多く見られるようになりました。

2. FAQの種類

FAQは、対象とするユーザーや目的によって大きく3つの種類に分けられます。それぞれの特性を理解し、自社の課題に合わせて適切なFAQを構築することが、効果を最大化する鍵となります。

社内向けFAQ 従業員を対象とし、社内のナレッジ共有と業務効率化を目的とするFAQです。総務・経理・人事に関する手続き、情報システムの利用方法、営業ノウハウや各種マニュアルなど、部署を横断して発生する共通の質問への回答をまとめたものです。これにより、特定の担当者への問い合わせ集中を防ぎ、業務の属人化を解消します。新入社員や部署異動者が、必要な情報へいつでもアクセスできる環境を整えることで、早期の戦力化を支援します。散在しがちな情報を一元管理し、全社的な生産性向上を実現するための重要な仕組みと言えるでしょう。

社外向けFAQ 製品やサービスの利用者、または購入検討者を対象とする、最も一般的なFAQです。製品の仕様や使い方、料金プラン、トラブルシューティング、契約・解約の手順といった項目が中心となります。顧客がWebサイト上で24時間365日、自ら疑問を解決できる環境を提供することで、顧客満足度の向上と、コールセンターや問い合わせ窓口の負担軽減を同時に実現します。顧客が抱えるであろう疑問を予測し、先回りして分かりやすい回答を用意しておくことが、顧客ロイヤルティの向上にも繋がります。

オペレーター向けFAQ コールセンターやカスタマーサポートのオペレーター業務を支援するためのFAQです。顧客から寄せられる専門的で複雑な質問に対して、迅速かつ正確に回答するための情報を集約します。応対品質の標準化を図り、オペレーターの経験年数による回答のばらつきをなくすことが主な目的です。新人オペレーターでもベテランと同等の対応ができるようになり、教育コストの削減と即戦力化を促進。結果として、顧客対応全体の品質を底上げし、より高度な顧客サポートの実現に貢献します。

3. FAQを作るメリット

FAQを作って企業のWebサイトに掲載するメリットについて解説します。 サービスの質の向上 FAQを作成してWebサイト上に掲載することで、サービスの質が向上します。疑問が生じても、問い合わせることが面倒でそのまま離脱してしまう顧客や、コールセンターになかなか電話がつながらずイライラされてクレームに繋がることも減らせます。あらかじめ顧客が疑問を持ちそうな内容に先回りして答えておけば、顧客は、FAQを確認して疑問や問題を自分自身で解決することが可能です。

顧客のニーズ把握 FAQの閲覧履歴を分析することで、顧客のニーズが把握できます。履歴を分析すれば、よく検索されている質問や、質問をした後の顧客の行動などが分かります。顧客が検索する質問がわかれば、FAQをさらに充実させることもできるでしょう。また、疑問がよく発生する商品については、品質改善を行うことで、顧客の満足度向上につながります。

回答内容の統一 FAQに顧客対応のための回答例などを蓄積し、一覧にしておけば、社内における回答内容が統一できます。担当者が不在の場合にも、FAQを参照することで別の人間が対応できます。また、社内での回答が統一できることで、同一の質問に対して部門や担当者によって異なる対応をしてしまうなどのトラブルを防止できます。

オペレーターの負担減と定着化 FAQが充実していると、オペレーター業務の負担が減り、ひいては定着化にもつながります。企業によっては、サービスの説明に専門的な知識が必要であるなど複雑な場合があり、オペレーターが覚えるべき内容が非常に多いと負担も増えます。オペレーターの負担が大きくなると離職者も増える可能性が高まります。

企業側の手間・コストの低減 FAQがあることで、問い合わせ件数が減り、企業側の手間とコストが削減できます。問い合わせ件数が減ると、オペレーターの人数や通信回線数が減らせるため、顧客対応コストを減らせます。顧客はFAQを読んで自己解決してくれるため、問い合わせに企業側が直接答える手間が少なくなるからです。

4. FAQの質問を集める方法

実際にFAQに載せる質問を効果的に集める方法を紹介します。

既存のQ&Aを活用する すでにWebサイトにQ&Aを掲載している場合は、既存の情報を活用しましょう。Q&AのなかからFAQを作成するために必要な質問と回答を抽出することで効率的に作業できます。

過去に受けた質問を参考にする 過去に受けた質問を参考にFAQを作りましょう。過去に問い合わせがあった内容には、顧客の顧客の率直な疑問が現れています。問い合わせに関する過去の記録を調べたり、顧客担当者やオペレーターに聞き取りを行ったりして、質問を収集するとよいです。

顧客へのアンケート・インタビューを実施する 顧客へのアンケート・インタビューを実施することで、質問を集めてFAQを作りましょう。商品やサービスの利用直後のタイミングで行えば、より正確な情報が得られます。顧客担当者から顧客の意見などの情報を得るという方法もあります。

スタッフが実際に使用した際の疑問点を集める 社員やスタッフ自身がモニターとなり、商品・サービスを実際に使用した際の疑問点を集めてFAQを作りましょう。サービスを提供する側という視点ではなく、顧客側の視点で利用してみることで普段は気づかない疑問点が出てくることがあります。

Q&Aサイトを調べる Yahoo!知恵袋のようなWeb上のQ&Aサイトに載っている質問を活用して、自社のFAQに利用しましょう。自社製品やサービスなどを検索すると、さまざまな質問が見つけ出せます。

5. FAQを作るときに気をつけるべき7つのポイント

FAQは顧客にとってわかりやすいことが重要です。わかりやすいFAQを作るために気をつけるべきポイントを7つ解説します。

顧客目線で作る 顧客が何を知りたいのかなど、顧客目線でFAQを作ることが大切です。顧客が必要とする情報を網羅し、どのような回答なら満足してくれるのかをよく考えましょう。Webサイト内で見つけやすい場所に表示したり、スマートフォンに対応させたりするなど、使いやすさも顧客目線で工夫する必要があります。

カテゴリ分けする FAQを作る際は、カテゴリごとに分類するなどの工夫をすることが大切です。カテゴリ別の目次があれば、顧客があれこれ探す手間が削減でき、質問をすぐに見つけられます。関連のあるよくある質問を集めたり、頻度の高い質問をランキング分けしたりするのもおすすめです。

キーワードで検索できるようにする FAQを作る際に、質問をキーワード検索できる機能を付けておくと便利です。キーワード検索ができると、目的の質問と回答を探す時間や手間が削減できます。顧客に煩わしさを感じさせない工夫をすることは大切なポイントです。

専門用語を使い過ぎない FAQを作る際は、専門用語を使い過ぎることなく、誰にでも理解できるようにすることが大切です。専門用語は、一般の顧客には馴染みがなく理解しづらいことが多くあります。顧客にわかりやすいFAQを提供することを忘れないようにしましょう。

次につなげる導線を作る FAQを読んで疑問を解消できた人が、次のアクションにつながるようにFAQを作るようにしましょう。疑問解決できた人に、商品購入やサービス利用の画面を見せる、資料のダウンロードを促すなど、CV獲得につなげる工夫をすることが大切です。

更新・メンテナンスを怠らない FAQは、一旦完成した後も、更新・メンテナンスを怠らずに運用する必要があります。FAQの内容は、時間と共に顧客のニーズが変化する可能性があるからです。常に顧客の要望を反映できるように改善し続けることが大事になります。また、メンテナンス時に手間がかかないように、最初から更新手間のかからないようなFAQを作ることが重要です。

チャットボットを導入する FAQの量が多くなれば内容は充実するものの、知りたい質問と回答までたどり着くのに時間がかかります。チャットボットを活用すると、普通に会話するように質問を入力するだけで知りたい情報まですぐにたどり着けます。
FAQが準備できていれば、チャットボットの導入は簡単です。最近は、LINEなどの普及によりチャットに馴染んでいる人が多く使いやすいため、さらなる顧客満足度の向上が望めます。

チャットボット(Chatbot)とは?初心者にもわかりやすく解説 チャットボットの導入事例16選!業界別の事例もご紹介

6. FAQの作成方法

FAQ作成の具体的なステップを紹介します。

ステップ1:質問の収集と分析 FAQ作成の第一歩は、ユーザーがどのような点に疑問を持っているのかを正確に把握することです。顧客からの問い合わせメールや電話のログ、Webサイトの検索キーワード、営業やサポート担当者へのヒアリングなどを通じて、実際に寄せられた質問を徹底的に収集します。集めた質問は、その頻度や重要度に応じて整理・分析し、FAQに掲載すべき項目の優先順位を決定します。この情報収集と分析の精度が、FAQ全体の価値を左右すると言っても過言ではありません。

ステップ2:構成の決定と回答の作成 収集・分析した質問を、「製品について」「料金について」「トラブルシューティング」といったカテゴリに分類し、FAQ全体の構成を組み立てます。ユーザーが直感的に情報を探せるよう、分かりやすい構成を心がけることが大切です。次に、各質問に対する回答を作成します。専門用語は避け、誰が読んでも理解できる分かりやすい言葉で記述することが原則です。回答内容は、社内の関連部署とも共有し、情報が正確かつ適切であるかを確認するレビュー手順を踏むことで、品質を担保します。

ステップ3:公開と効果測定・改善 作成したFAQをWebサイトに公開します。しかし、公開はゴールではありません。ユーザーがスムーズに情報へアクセスできているか、内容が本当に役立っているかを継続的に管理し、改善していく必要があります。各FAQ項目の閲覧数や、「この記事は役に立ちましたか?」といったフィードバック機能を通じて効果を測定。解決率が低いFAQは内容を見直したり、新たな問い合わせ内容を随時追加したりするなど、定期的なメンテナンスが、FAQを常に「使える」状態に保ち、その価値を持続させるために不可欠です。この改善サイクルが、長期的な顧客満足と業務効率化を支援します。

7. FAQとチャットボットのどちらを使うべきか

FAQと同じくユーザーからの質問対応の自動化を行うツールとしてチャットボットがあります。
FAQとチャットボットは同じ利用目的で使われるケースが多いですが、質問の量や活用シーンによってどちらを使うべきか見極めることができます。

質問の量 チャットボットはシナリオを作成する必要があり、質問の量が多い場合は一覧から検索することができるFAQが向いています。

活用シーン チャットボットは会話形式による気軽なコミュニケーションを行いたい場合に適しており、FAQは製品などの細かな情報を確認したい場合に適しております。

8. AIを活用したFAQ運用のトレンド

近年、AI技術の目覚ましい進化はFAQの運用方法を大きく変革し、従来以上の業務効率化を実現しています。ここでは、AIを活用した最新のFAQ運用のトレンドを2つの項目で解説します。

AIチャットボットによる問い合わせの自動化 FAQのナレッジを学習したAIチャットボットが、ユーザーからの質問に24時間365日、対話形式で自動応答する仕組みが主流になっています。ユーザーはキーワードで検索する手間なく、話し言葉で質問するだけで、AIがその意図をくみ取り、FAQの中から最も適切な回答を提示します。これにより、ユーザーは必要な情報に素早くアクセスでき、解決率の飛躍的な向上を実現します。このように企業側は、単純な問い合わせ対応をAIに任せることで、有人サポートの窓口を縮小したり、オペレーターがより複雑な問題に集中したりできるようになり、サポート業務全般の生産性向上へと繋がります。

社内ナレッジの一元化と検索性向上 AIを活用したFAQシステムは、社内に散在する様々な情報資産(マニュアル、仕様書、過去の議事録など)を取り込み、巨大なナレッジベースとして一元管理することができます。従業員が何か知りたいことがあった際に、このシステムに質問を投げかけるだけで、AIが膨大な情報の中から最適な回答を見つけ出して提示します。これにより、部署間での情報共有が円滑になり、社内のあらゆる問い合わせ対応を削減することができます。組織全体の知識レベルを底上げし、迅速な意思決定を支援することで、全社的な業務効率化に大きく貢献しています。

9. まとめ

Webサイトでのマーケティングを行っている企業担当者が、より高い顧客満足を得るためのFAQの作り方と注意点などを解説しました。FAQを作る際は、既存のQ&Aの活用・過去に受けた質問・顧客へのアンケートなどを活用しましょう。専門的な内容となり過ぎないなど、顧客目線で作成し、商品サイトへの誘導を促すなどの工夫をすることも大事なポイントです。
FAQを作ることで、顧客の疑問にすぐに回答でき、顧客の高い満足度が得られます。企業側でも、オペレーターの負担や工数を削減できるなどのメリットが多くあります。FAQを作成するだけでなく、チャットボットなどツールを導入することも検討すれば、さらに効果的なマーケティングを行うことができるでしょう。

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