コラム COLUMN

カスタマーサポートの将来性は?
危惧される理由や最新の動向・事例までわかりやすく解説

AIの進化や新型コロナウイルスの流行などで、カスタマーサポートの将来性を危惧する声も聞かれるようになりました。この記事では、カスタマーサポートが危惧される理由・最新の動向などを解説します。自社のカスタマーサポート改善に役立ててください。

1. チャットボットとは?

チャットボットとは、音声やテキストにより自動で会話ができるプログラムです。チャットボットの種類を大別すると、ルールベース型(シナリオ型)とAI型があります。

ルールベース型(シナリオ型)は、ユーザーから寄せられる質問を予想して回答を用意しておき、実際に質問された際に自動で表示させるタイプです。一方、AI型は、AIが学習してより正確な回答ができるように成長するチャットボットです。

2. カスタマーサポートとは

カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせや不満などに対応し、解決に導くことが主な仕事です。顧客からの問い合わせには、電話・メール・チャットなどの手段で対応します。問い合わせが多い企業では、専任のコールセンターなどを設置することもあります。

3. カスタマーサポートの将来性が危惧される理由

カスタマーサポートの将来性が危惧されていると言われています。それはなぜなのでしょうか。

AIの進化

AIの進化により、カスタマーサポートの仕事をすべて奪われるのではないかという不安が理由の一つです。確かに、顧客の質問に対して自動で回答が行えるAIは、企業にとっても、顧客にとっても非常に便利なものと言えます。しかし、現状ではAIには対応しきれない質問などもあり、人でなければ対応できない事態も多いため、カスタマーサポートの業務すべてをAIが行うことは難しいです。

新型コロナウイルスの流行

新型コロナウイルスの流行によって、カスタマーサポートの対応時間短縮やリモートによる対応などを余儀なくされた企業は少なくありません。新型コロナウイルスの流行により、問い合わせ件数自体は増加傾向にあり、チャットの需要も増えています。カスタマーサポート業務もニューノーマルにあわせ変化が求められますが、なくなることはないと予測されています。

4. 最新のカスタマーサポートの動向

将来性を危惧されるカスタマーサポートですが、カスタマーサポートは時代に応じて変化すべきものだとも言われています。ここでは、最新のカスタマーサポートの動向を解説します。

カスタマーエクスペリエンスの向上

カスタマーエクスペリエンスの向上に焦点を当てた対応が広がっています。カスタマーエクスペリエンスとは、商品やサービスを購入・利用することで得られる顧客体験のことです。顧客が想定している以上の対応・サービスの提供により、満足度は向上します。企業の優位性を高めるため、カスタマーエクスペリエンスは、これまで以上に重要視される傾向があります。

オムニチャネル化

カスタマーサポートのオムニチャネル化が進んでいます。オムニチャネルとは、実店舗とオンラインショップの境界を取り除き、購入経路を問わずに販売促進を目指す経営戦略です。カスタマーサポートにおいても、顧客のニーズにあわせ、電話・メール・チャットなど、多くのチャネルを用意することが大切です。

シンガポールの通信会社の事例 シンガポールの通信会社では、カスタマーサービスをオムニチャネル化したことで、問い合わせの65%がチャット経由となりました。チャット経由での問い合わせが増加したことにより、問い合わせ1件当たりのコストが50%減少しました。顧客満足度の向上と同時に、コストカットも実現しています。

イギリスの航空会社の事例 イギリスの航空会社では、チケットのオンライン予約にチャットを導入しました。電話ではなく、チャットから予約・購入できるようになったことで、販売額達成までの期間が20%減少しました。同時に、コンバージョン率が3.5倍に増加、部門同士の連携も取れ、効率的な対応が可能となりました。

チャットボット導入

カスタマーサポートとして、チャットボットを導入する企業が増加しています。よくある質問などには、チャットボットが自動で回答し、チャットボットで対応できない複雑な質問には、オペレーターが対応するなどの振り分けができるからです。効率的にオムニチャネル化がはかれ、スムーズで満足度の高い対応が可能となります。

食品会社の事例 ある食品会社では、コールセンターの負担が大きいという課題がありました。チャットボットを導入することで、年間500件以上の問い合わせをチャットボットが対応するようになり、コールセンターの負担軽減につながっています。

鉄道会社の事例 ある鉄道会社では、社内向けヘルプデスクの業務を効率化したいという課題がありました。よくある問い合わせなどをチャットボットが対応することで、電話の問い合わせの30%減を、導入わずか3カ月で実現しています。

学校経営コンサルティングの事例 ある学校経営コンサルティングでは、問い合わせフォームの前にチャネルを増やして、新たな顧客接点を設けたいという課題がありました。チャットボットを導入したところ、3カ月で2,000件の問い合わせにチャットボットが対応しています。予約・申し込み数の増加にもつながりました。

導入事例はこちらで詳しく紹介しています。 チャットボット導入事例

5. チャットボット導入のメリット

チャットボットを導入するメリットについて解説します。

オンラインで24h対応できる

チャットボットを導入することで、オンラインによる24時間対応が可能になります。お問い合わせの多くは、夜間・休日などに発生することが多いです。営業時間外の対応について、課題を持つ企業は少なくないです。社員の不在時間での対応をすべてチャットボットが行うことで、顧客満足度の低下や機会損失などを防止できます。

コストが削減できる

チャットボットを導入することにより、大幅なコスト削減につながります。簡単な問い合わせやよくある質問などへの対応を、人が対応する必要がなくなります。人が行っていた対応をチャットボットが自動で回答することで、コールセンターのスタッフ数も減らせることになり、人件費を削減できます。

対応の均一化ができる

チャットボットの対応は、設定されたシナリオなどのとおりに行われるため、対応の均一化がはかれます。人が行う対応とは異なり、チャットボットの対応にばらつきはありません。対応が均一化されることで、人によって言うことが異なるなどの苦情がなくなり、トラブル回避につながります。

問い合わせのハードルが低くなる

チャットボットの導入により、問い合わせのハードルが低くなります。人が対応する電話やメールなどよりも、質問しやすいという特徴があります。わざわざ電話しなければいけない、メールの文面を考えるのが面倒と言う人は少なくないです。チャットボット相手なら、気軽に質問できるという人も多いため、問い合わせ件数が増える傾向にあります。

6. まとめ

カスタマーサポートの将来性は、AIの進化・新型コロナウイルスの流行により危惧される傾向にあります。チャットボットを導入する、カスタマーサポートのオムニチャネル化をはかることなどで、今後も必要なサービスとなり得ます。

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