チャットボットのシナリオ設計とは?
シナリオ作成のポイントも紹介
オペレータが話すスクリプトの設計とチャットボットのシナリオの設計の違いなど、それぞれの特徴を分かりやすくご紹介します。
チャットボットを導入する企業・Webサイトが増えている要因の1つは、この「気軽に質問をしていただけますよ」という演出を行い、ユーザーとの接点を匿名で展開できることといえるでしょう。
たとえば「すぐに購入や問い合わせをするつもりはなかったけれど、欲しい量の在庫がギリギリみたいなので、正式な見積もりを取り寄せてみようかな」などと見込客の心を前向きに変えることができることは大きな魅力です。
このように最近はチャットボットを見かける機会が多くなっています。人であってもチャットボットであっても“接客”には変わりありませんが、オペレータなどが利用するスクリプトとチャットボットのシナリオの違いを意識したことはありますか?
実際にチャットボットの導入検討段階に入り情報を検索してみると、「チャットボット導入時のシナリオ設計が難しい」という記事にいきあたり、不安になる方も多いようです。
チャットボットのシナリオ設計とは、
・こういうお客様がいらしたら、このようなお声がけ(チャットでのポップアップ)をしよう
・この質問が来たら、この答えを出そう
・チャットボットで対応しきれない質問が出た場合には、またこの質問をこちらからしなおそう
などのように、「この質問、この場面ではこのような対応をする」という質疑応答の会話フローを検討し、チャットボットの管理画面上でそのフローを登録することです。
あまりデジタルツールを使い慣れていない方にとっては、「管理画面」で「フローを登録する」といわれると身構えられるかもしれませんが、「オペレータがお客様と商談や会話をする流れを想定し、いくつかのパターンに分けて登録しておくこと」だと捉えれば、難しくはありません。
一方でチャットボットの導入前には、シナリオ設計をしっかり準備する必要があります。どういった質問が多いのかなども想定しながら、シナリオ設計を準備することをおすすめします。
チャットボットのシナリオ設計で迷った際は、どのようなやり取りが発生するのかを想像してみましょう。
チャットボット導入時に重要となるシナリオ設計の作成において、作成時に必要なポイントをご紹介します。
ユーザーが抱える現状の課題を把握する
まずはチャットボットの導入目的は何なのかを確認し、現状課題を把握します。
例えばECサイトでユーザーの途中離脱が多いという課題があり、その原因の一つに「ユーザーにわからないことがあったときにFAQで問題解決がしづらい」という仮説を立てたとします。その場合、ユーザーが抱える問題は、「ECサイトで買い物をする際に感じるあらゆる疑問」となります。このユーザーの現状課題を解決することがシナリオ設計の第一歩です。
チャットボットにどこまで対応させるかを決める
チャットボットに問い合わせ対応の役割を持たせる場合にも、チャットボットがすべて対応できるわけではありません。
もし回答できなかったときにどうするのか、回答できる範囲はどこまでなのかを明確に線引きしておきましょう。そうすることで、シナリオの範囲も明確になります。
よくある質問や問い合わせを洗い出す
具体的にユーザーから寄せられるよくある質問や問い合わせを洗い出します。その上で、シナリオの流れを作っていきます。
ユーザーに合わせた文脈を明確にする
ユーザーは問い合わせまでにどのページを経由してきているか、サイトを訪問するユーザーに合わせた文脈を明確にすることがポイントです。それによりシナリオもユーザーに適したものを作ることができます。
会話のステップを極力減らす
シナリオ設計時には、フローチャートで流れを確認することは欠かせません。その際に、ユーザーが選択していく選択回数はできるだけ減らすようにしましょう。離脱を防ぐためです。
実際に、シナリオ設計をしてチャットボット導入を成功させるには、シナリオ設計後のシナリオのメンテナンスやユーザー分析など、運用フェーズでのチューニングが重要です。
シナリオは、先述の通り、初期段階で質疑応答の会話フローを検討して登録しますが、登録後には、ユーザーの利用の状況を踏まえて、「最適な回答が返せているか?」「的外れではないか?」といった確認とメンテナンスを行うことで、最適化していくことが必要です。そのためには、あらゆるデータを駆使してユーザー分析を行うことが欠かせません。導入するチャットボットサービスに、会話ログから得られる問い合わせの多いカテゴリや質問、回答の満足度などのデータを管理画面で閲覧できる機能が備わっていれば、より効率化するでしょう。
またそういった機能が備わっていない場合でも、チャットボットの対応件数や利用率などを加味したうえで、適切なシナリオ設計となっているのかを分析することが重要となります。
このように、シナリオ設計後も、運用においてチャットボットのシナリオを随時、チューニングしていくことで、どんどんチャットボットの精度が上がり、適切な回答を返すようになります。結果的に、ユーザーの利用率や満足度も上がっていくでしょう。
チャットボットには月1万円程度から使える簡単なものも多数あります。もし興味をお持ちになった場合は、「チャットボット 比較」などと検索してみられたらいかがでしょうか?
問い合わせ対応の際、人の場合は相手に合わせて表現を変えることができるのに対して、チャットボットは常に一定です。その違いがそれぞれの良さでもあります。
たとえば、質問者のスキルが高い場合と、そうでない場合の回答では、相手に伝わりやすい表現が違います。人の場合、同じ質問が来ても相手に合わせて回答に使う表現を変えることができますが、チャットボットの場合はできません。そのため、常にどんなスキルの質問者でもわかるような回答を用意しておく必要があります。
とはいえ、相手に合わせて表現を変えるために、スクリプトを何通りも用意していることはあまりないため、自身の経験と知識に依存します。
知識や経験によって接客内容やレベルに大きく影響してしまう人に対し、チャットボットの対応レベルは全て均一になりますので、不慣れな人の場合なかなか回答できないような難しい質問でも、すぐに回答を示すことができるのがメリットです。
また、チャットボットは「24時間365日」対応が可能なため、シナリオ設計をしっかり行っておけば、常に高いパフォーマンスを発揮し続けてくれるため、社内用のイントラネットなどにチャットボットを導入する企業も増えてきました。
例えば企業の総務部や社内コールセンターには「経費精算の際に必要な書類は?」「定期券支給区間を含む電車移動を行ったけど、その場合の申請方法は?」などの簡単な質問が寄せられたり、「子供が海外に留学することになったけど、扶養手続きはどうしたらよいの?」などの慣れていない担当者では即答しかねるような難しい質問も飛んできます。
単純な質問にわざわざ「人間」が時間をかけて返答していても生産性が低くなり、一方、難しい質問には経験のある方が対応しなければいけません。つまり、人間がスクリプトを基に対応することは生産性低下につながりやすいのです。
チャットボットでは解決できない質問がある場合のみ、総務部や社内コールセンターの電話が鳴ったりメールが飛んできたりする、という仕組みを作れば、総務部の生産性は格段にアップし、毎月の残業時間も大幅に削減できることでしょう。
「でも、FAQページを充実させておけばチャットボットを導入しなくても事足りるのでは?」と考えられるかもしれませんが、その違いは、歴然です。FAQは、疑問に関して書かれているクエスチョンを「自ら見つけ、答えを見つける」ということがユーザーに求められますが、チャットボットの場合は、チャットの質問に返答していけば、「ほぼ自動的に」答えに導くことができるのです。
つまり、ユーザーのリテラシーや情報検索能力によることなく、しっかりと疑問解消することができるという点で、FAQよりもチャットボットのほうが利用ユーザーの満足度を高めやすいのです。
チャットボットはシナリオ設計さえしっかりとしておけば、見込み客や社内からのほとんどの質問に的確に答えたり応対したりすることが可能です。人材採用難のこの時代、また働き方改革を推進していく必要がある今、貴社業務を大幅に効率化できる可能性のあるツールです。
業務の効率化や生産性の向上を目的としたチャットボットツールを選定の際は、シナリオ型チャットボットを導入することをおすすめします。
RICOH Chatbot Serviceは辞書型とシナリオ型の機能を併せ持ったハイブリット型のチャットボットなので様々なシーンの問い合わせに対応が可能です。
「回答をスムーズに見つけたい」「スピーディーに疑問を解決したい」といったお客様のニーズにもお応えします。またExcelだけで手軽に始められ、だれでも簡単にチャットボットを導入可能です。導入後の運用も分析情報を可視化し、楽に修正、変更できます。
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