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チャットボットの仕組みとは
- ハイブリッド型チャットボットなどを紹介

最近、チャットボットを設置している企業サイトを多く目にするようになりました。現在チャットボットの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。そこで、導入前にチャットボットの仕組みを知っておくと役立ちます。特に手軽に導入できるルールベース型はおすすめです。その理由も合わせてご紹介します。

1. チャットボットとは?基本機能を解説

●チャットボットとは

チャットボットとは、サイトやアプリになどに設置してユーザーと自動的に会話(チャット)を行うことができるプログラムのことです。
チャットボットを自社のサイトに組み込むことで、ユーザー側は気軽に質問や相談が出来るようになり、企業側は問い合わせ対応業務が削減できるとして、近年、様々な企業で導入が進んでいます。

【関連コラム】チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説チャットボットの使い方-種類や仕組み、活用例をご紹介

●チャットボットの基本機能

チャットボットの機能には主に以下のようなものがあります。

・自然文による応答機能
・選択肢を示す機能
・有人対応へ切り替える機能
・アンケート機能
・外部システム連携機能

各機能の詳しい解説は以下のコラムでご確認いただけます。

【関連記事】チャットボットの基本機能 - 有人対応やアンケート機能など

2. チャットボットの仕組みを図解で解説

チャットボットは、ユーザーから質問文を受け取ると、「キーワード分析」「データベース検索」「回答文作成」という3つの手順によって、ユーザーへ回答文を返します。 (1)キーワード分析 上の図のように、まずユーザーがPCやスマートフォンのブラウザやアプリなどに表示されるチャットボットのフォームに質問などをテキスト入力します。するとチャットボット側は、その入力された質問文に含まれる重要なキーワードを抽出する「キーワード分析」を行います。
AI型のチャットボットは、この分析にAI(人工知能)を使って抽出するため、よりユーザーの質問の主旨に近いキーワードを抽出することができます。

(2)データベース検索 次に、チャットボットに備わるデータベースにアクセスして、抽出されたキーワードに紐付く適切な回答を検索する「データベース検索」を行います。データベースにより豊富なキーワードと回答が用意されていれば、より精度の高い回答をユーザーに返すことができます。
データベース上にあるキーワードと合致すれば、すでに登録してあったキーワードに紐付く回答を引っ張ってきます。

(3)回答文作成 適切な回答をデータベースから拾ってきたら、次は「回答文作成」を行います。
あらかじめデータベースに回答文を用意しているものをそのままユーザーに返す場合と、AIが単語をいくつか組み合わせて自然な文章に直す場合とがあります。
回答文が完成したら、すぐにユーザー側のチャットボットに表示させます。すると、ユーザーは質問への回答を閲覧することができます。

3. ルールベース型のチャットボットの仕組み

・シナリオ型チャットボット シナリオ型チャットボットとは、チャットボットのユーザーがたどるシナリオをあらかじめ設定しておき、選択肢をいくつか用意し、それをユーザーが選んで進んでいくチャットボットです。ユーザーに文字入力の手間をかけず、質問分岐を適切に設定することで手軽に利用できるメリットがあります。

【関連記事】シナリオ型・機械学習型チャットボットの違い・メリットは?~シナリオ作成の基本ステップも解説!
・辞書型チャットボット 辞書型チャットボットとは、事前にキーワードとなる単語と、そこから考えられる回答を組み合わせた複数の単語をあらかじめ辞書として登録しておくチャットボットの仕組みです。そのキーワードが入力されたときに適した回答を返すことができます。ユーザーが知りたい内容を単語や文章で入力した中に、該当するキーワードが一語でも含まれていれば回答を返すことで会話が成り立ちます。そのため、うまく質問と回答を設定できれば、人と直接会話をしているようなスムーズな対応ができるメリットがあります。

【関連記事】チャットボットの辞書型の成功事例をご紹介
・シナリオ型と辞書型のハイブリッド型チャットボット シナリオ型と辞書型の両方の機能を併せ持つハイブリッド型チャットボットもあります。ケースに応じて選択肢を提示することもできますし、辞書から回答を返すこともできます。よりユーザーにとって“使える”チャットボットサービスとしてハイブリッド型チャットボットが利用されるケースが増えています。

ハイブリッド型チャットボットで問い合わせ業務の削減や顧客満足度の向上を実現

4. AI型のチャットボットの仕組み

AI型チャットボットとは、機械学習型ともいわれるもので、AIを搭載したチャットボットのことです。あらかじめ大量の人間の会話を学習し、ユーザーから入力された文脈を解釈して回答するチャットボットの仕組みです。

例えば「Aという単語の後にはBと回答するパターンが多い」ということをAIが学習します。するとユーザーが「A」と言ったときは「B」と返せるようになります。辞書型と異なるのは、学習して文脈を解釈した上で回答を返す点です。事前に大量の学習とともに、チャットボットが利用されるほど精度が上がっていく特徴があります。いかに学習をさせるかというところにかかっているともいえます。

5. チャットボットの仕組み上の注意点

チャットボットは、種類に応じて様々な仕組みで動いていることがわかりました。それぞれの仕組みには、導入・運用に関する注意点があります。チャットボットの種類ごとにそれぞれの仕組み上の注意点をご紹介します。

●ルールベース型のチャットボットの仕組み上の注意点

・事前にシナリオや辞書の設定が必要 ルールベース型のチャットボットは、使い始める前に、必ずシナリオや辞書の設定が必要です。先述の通り、ルールベース型のチャットボットは、必ずシナリオや辞書に基づいて会話を返す仕組みだからです。手間がかかりますが、効率的にチャットボットを設定するには、過去にお問い合わせのあった質疑応答データを集める、営業担当者やカスタマー対応担当者によくある質問を聞くなどしてQ&Aを収集することがポイントです。そこから必要なシナリオや辞書を設定していきます。
また、チャットボットサービスによっては、業種別Q&Aテンプレートを用意しているところもあります。その場合、それを編集することで、一からQ&Aを作るのと比較して時間短縮につながります。

・設定したシナリオ・辞書以外の回答ができない ルールベース型のチャットボットは、AI非搭載型であるため、その仕組み上、自ら返答を返すということはできません。あくまで登録されているデータを自動的に返します。
そのため、チャットボット選定時にはあらかじめ使用用途を絞っておくのがおすすめです。例えばよくある質問といったパターン化された質疑応答であれば、ルールベース型のチャットボットが向いています。一方で、臨機応変に会話を楽しんでもらうような用途の場合、ルールベース型のチャットボットは向いていません。このように、適した用途で利用することがポイントです。
また、回答できなかった問い、つまりあらかじめ設定していなかった問いも出てくるでしょう。ユーザーが困らないよう、有人チャットや有人オペレーターの電話に取り次ぐ仕組み作りを行っておくことも必要です。

●AI型のチャットボットの仕組み上の注意点

・大量の学習データの準備とメンテナンスが必要 AI型のチャットボットについては、事前に学習データを用いて学習させる必要があります。特にお客様に対して提供するチャットボットとして機能させるためには、事前学習データは膨大である必要があります。
また、AI型のチャットボットはその都度、メンテナンスを行う必要があります。一度覚えさせたらそれで終わりではないのです。チャットボットの回答精度を上げていくためには、そのメンテナンスの工数や仕組みも検討しておく必要があります。

・導入コストが多くかかる傾向がある AI型のチャットボットの懸念点として、導入コストの問題があります。チャットボットの仕組みや運用がシンプルなルールベース型のほうが一般的に安価に導入できるため、必要でなければAI型である必要はないでしょう。またメンテナンスも知見のある人材にしか行えないとなると、さらに運用コストがかかってきます。ただしAI型のチャットボットはコストをかけた分だけ、柔軟な回答を返すことができるため、目的に見合った投資であれば利用の価値はあるでしょう。

6. 手軽に導入できるルールベース型チャットボットの魅力

チャットボットの種類の中で、より手軽に導入できるのがルールベース型です。そこで、ここではルールベース型のチャットボットの魅力をご紹介します。

既存のFAQをインストールするだけで利用ができる

AI型のチャットボットは精度向上の可能性が高いものの、事前に膨大な学習データが必要になる上に、利用がされなければ成長していかないという点があります。また、ある程度学習させて運用を開始したとしても、質問に対する回答が正しいかを定期的にチューニングする必要があります。 それに対して、ルールベース型のチャットボットは、あらかじめ作成したFAQをインストールすればすぐに利用開始でき、随時、FAQを追加していくことでチャットボットを成長させていくことができ、導入やメンテナンスが行いやすい仕組みになっています。FAQは、チャットボットサービスが用意したテンプレートを利用すればより簡単かつスピーディーにスタートできます。

導入コストが安い

価格面からすれば、ルールベース型のチャットボットはAI型と比較してより安価に導入できます。コストを抑えたい場合にもおすすめです。

ユーザーにとっての使い勝手が良い

ルールベース型のチャットボットは、ユーザーにとって使い勝手が良いのも特徴です。AI型は学習の途上では精度が落ちることがあるため、使い勝手が下がることもあります。ルールベース型はあらかじめ決まった内容しか回答しないため、十分に作り込んでおくことで精度を高められます。

7. チャットボットの仕組みや特徴を理解して自社に合った選定を

チャットボットの仕組みを知ることで、チャットボット導入時のサービス選定に役立てることができます。どのような種類のチャットボットを選ぶかによって、成果が変わってくるためです。
大切なのは、それぞれのチャットボットの仕組みや特徴を理解して自社に合ったチャットボットを選ぶことです。

例えば、次のような場合にはどのタイプが良いかの例をご紹介します。 1)できるだけ費用を抑えて、チャットボットをFAQのような役割にしたい 従来、電話やメールで受けていたよくある質問への回答をチャットボットに代替したいというケースです。いわゆるFAQのようにユーザーが気軽に自分の悩みを解決できるようにします。
この場合、比較的安価に幅広い質問に対応できるルールベース型の「辞書型」がおすすめです。辞書型はシナリオ型と比べてフリー入力のため、人間同士の会話感覚で質問ができます。また、幅広い質問に対応でき、即座に回答にたどり着くのもメリットです。さらに、管理者にとっても、Q&Aの一覧のみ準備すれば良いので、手間と時間がかからず、AI型と比べて費用対効果が出やすいメリットもあります。

2)人間に近い会話でユーザーを楽しませたい ユーザーとキャラクターを対話させることで、ユーザーを楽しませるというエンターテインメント性を主目的としてチャットボットの導入を考える場合、「AI型」が向いているでしょう。ある程度、コストをかける大々的なキャンペーンであったりすればなおさら良いかもしれません。
AI型は、対話ログを機械学習するため、切り返しなどが人間に近く、学習した分だけ会話の幅が広がるため、キャラクターとして愛着が出てきます。コストや時間がかかりますが、精度が高められれば導入効果を出すことができるでしょう。

あくまでこれは例であり、同じ目的や課題を持っていても、最適なチャットボットのタイプは変わってくることがありますので、自社の要件や目的を明確にして、チャットボットの仕組みや特徴とマッチするものを選びましょう。

8. リコーのチャットボットの仕組みを紹介

リコーのチャットボットサービス「RICOH Chatbot Service」は、ルールベース型の、シナリオ型と辞書型を兼ね備えたハイブリッド型のチャットボットで、ユーザーにとって使い勝手の良いレスポンスで満足度を高められます。リコーの独自調査の結果、利用者の約70%が回答に満足したと評価しています。

また導入が簡単である手軽さも特長です。自動で作られるタグをコピー&ペーストするだけでWebサイトに設置できます。シナリオ設定は事前に設定されており、FAQデータを読み込むだけで、すぐに開始できます。業種別のQ&Aパッケージのご用意もあるため、自社事業やサービスに合わせたチャットボットを簡単に作ることが可能です。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

RICOH Chatbot Serviceの紹介資料はこちら

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