導入事例 CASE

RICOH Chatbot Serviceが緊急時の問い合わせ対応をフォロー
正しい情報を効率良く伝えることで消費生活の健全化に貢献

消費者のさまざまな困りごとに対して1件1件真摯に対応し、府民の消費生活の安全・安心を確保するため、日々尽力されている大阪府消費生活センター様。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、現体制では対応しきれない量の問い合わせが発生し、電話がパンク寸前の状態にまでなってしまいました。そのような緊急事態をどのように打開していったのか、ご担当者の方にお話をお伺いしました。

大阪府消費生活センター

所在地 :大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATC ITM棟3階
利用時間 :9:00~17:45(土・日・祝日、年末年始は休み)
うち、消費生活相談窓口受付時間 9:00~17:00
業務内容 :消費生活に関する相談の受付や啓発事業の実施、関係法令に基づく事業者指導など
URL:http://www.pref.osaka.lg.jp/shouhi/

大阪府内の消費者行政を支える大阪府消費生活センター様の役割は大きく次の3つ。まず1つ目がさまざまな消費生活に関する相談の受付です。これは国家資格を持つ相談員が対応しています。2つ目が消費者に対する啓発や情報提供。そして最後に法に基づく事業者への指導や命令などの行政行為です。また、府の広域行政の一環として、府内市町村における消費者行政のバックアップとしての役割も担っています。

これまでの課題

  • 1
    新型コロナの影響で問い合わせが急増し対応しきれない状況が発生していた。
  • 2
    消費者が相談したくても電話回線がパンクし一時的につながりにくい状態が発生していた。
  • 3
    FAQを拡充させたために質問数が増え、回答を探す消費者に負担をかけてしまっていた。

Chatbot導入効果

  • 1
    定形的な問い合わせはチャットボットで対応することで、前さばきとして有効に機能。
  • 2
    24時間365日問い合わせ対応が可能になり、消費者がより相談しやすい環境になった。
  • 3
    消費者は必要な情報にたどり着きやすくなり、回答を探す負担が減った。

お客様インタビュー

 

大阪府消費生活センター

 

足立百合奈 様 小谷正之 様 今市佳奈江 様

新型コロナの影響で問い合わせ件数が急増。電話が鳴り止まない状態に

チャットボット導入前にはどのような課題が発生していたのでしょうか。

「大阪府内全域の消費生活相談窓口には、概ね年間7万件強の相談が寄せられています。大阪府消費生活センターだけでも年間約9,000件の相談に対応しており、全国的に見ても多いと思います。これまでも時間帯によっては、問い合わせが集中するということがありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大によって一段と状況が悪化しました」

マスクやトイレットペーパー等の生活関連物資が不足したり、また、いわゆる「巣ごもり」の影響によってオンラインで買い物したりする機会が増え、その結果消費生活トラブルも増加しました。緊急事態宣言の発令時には、相談件数は最大で1.4倍にまで増加し、ピーク時には電話が鳴り止まない、消費者からの電話もつながりにくい状況がたびたび発生しました。

どのような経緯でチャットボット導入を検討されたのでしょうか。

「消費生活相談は各分野の専門知識や法律の解釈などが必要になるために、1件1件丁寧に相談者に状況を確認しながら対応する必要があります。そのため多くの相談に対応することができません。しかし、例えば新型コロナ関連では共通の定型的な質問も多く寄せられていたため、その項目をまとめてホームページ上のFAQに掲載したり、Twitterを使って積極的に情報発信したりすることで、問い合わせ先を分散させる策を講じました」

一方で、FAQを拡充させることで項目数が増えてしまい、今度は消費者が質問・回答を探すのに非常に手間がかかるようになってしまいました。特に高齢者の方に対しては大きな負担をお掛けすることになりました。そのような状況を打開するために、第2段階の対策としてAIを搭載したチャットボットの活用を検討しました。


Twitterは、Twitter, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

AIによる自然な対話や表記ゆれの自動補正、導入・運用の容易さでRICOH Chatbot Serviceを選択

具体的にどのような理由でRICOH Chatbot Serviceをご採択いただいたのでしょうか。

「選定するにあたっては次の4つの点で判断しました。まず1つ目がAI搭載型のチャットボットであること。チャットボットにはシナリオ型とAI型がありますが、より自然な会話で情報提供できるAI型が望ましいというのがその理由です。次に、同じ問い合わせ内容でも消費者の方はさまざまな表現で質問されてきますので、同義語を自動的に理解できて質問文の表記ゆれを吸収できること。さらに、チャットボットのための専門要員を確保できるわけではありませんので、PCなどに関する専門知識がなくても簡単に導入できること、および工数をあまりかけずに運用や改善ができることの4点です。以上の選定基準に最もマッチしていたのがRICOH Chatbot Serviceでした」

上記のような機能面に加えてコスト面やサポート体制を含めた全体が要求事項にフィットしていたことが最終的な選定要因となりました。

RICOH Chatbot Serviceは定型的な問い合わせ対応や情報発信の起点として有効に機能

導入後の状況と効果がどのように現れているかを教えてください。

消費者教育推進大使もずやん

「2020年12月に稼働を始め、現在月100~200件程度RICOH Chatbot Serviceにアクセスがあります。当初の課題だった問い合わせ件数も現在は平常の状態を取り戻しつつあります」

問い合わせ件数はさまざまな要因によって左右されますので、チャットボットの導入が直接的に問い合わせ減少に寄与したかどうかを評価するのは困難です。とはいえ、チャットボットは定型的な問い合わせの前さばきとして有効に機能しています。また、消費者は必要な情報を探しやすく、24時間365日体制での対応も可能となるため、消費者に必要な情報を正しく届けながら、より消費者が相談しやすい環境づくりに貢献していると感じています。

消費生活相談業務においてRICOH Chatbot Serviceはどのような点で有効だとお考えでしょうか。

「前述のとおり消費生活相談の内容は非常に複雑で、細かなヒアリングやさまざまな書類の確認が必要で、相談者一人ひとりに適した対応が必要になります。従ってAIなどを搭載していてもなかなかチャットボットだけで完結させるのは難しいと思います。しかし、新型コロナ感染症拡大時のような場合には定型的な問い合わせが数多く発生します。チャットボットはそのような定型的な問い合わせに対応する、いわば前さばき的な役割としては有効に機能していると考えています」

今後RICOH Chatbot Serviceをさらにどのように活用していこうとお考えでしょうか。

「RICOH Chatbot Serviceに入った質問内容や言葉などから、消費者のタイムリーな声を受け取り、それを元にTwitterやホームページなどで、正確な情報を速やかに発信してくような活用方法も検討していきたいです。」


本ページに掲載されている情報は、2021年3月現在のものです。

導入事例

お問い合わせ