不動産業の業務効率化を進めるには?
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、不動産市場や人々の住宅に求める条件が大きく変化しました。不動産業においては、非対面営業へのニーズの高まりや問い合わせ件数増加に伴い、リモート接客ツールの導入が進んでいます。
今回は、不動産市場や不動産業の現状や課題と共に、課題解決となるリモート接客ツールをご紹介します。中でも、チャットボットは不動産業の業務効率化を実現する有用なツールです。その理由もご紹介します。
不動産市場は、コロナ禍の影響を大きく受け、変化しました。
首都圏の新築分譲マンションの供給数や契約数のデータを見ると、緊急事態宣言などが発令された2020年上半期は軒並み減少し、大きな影響が出ました。しかし2021年上半期には、供給数と契約数ともに前年より増加し、反動による増加の様子も見られます。
また賃貸住宅管理会社においても、2020年上期の来客数、成約件数はともに減少し、マイナスにもなりました(※1)が、2020年下期より徐々に増加に転じ、成約件数はプラスに振れました(※2)。
このように、不動産市場は一時期ではありますが、コロナ禍の影響を大きく受けました。
市場の変化と共に、不動産業の顧客ニーズの変化も起きました。
コロナ禍で在宅勤務をする人が増えたことで、住宅に求める条件が変化したのです。
リクルート住まいカンパニーが2020年12月に実施した『住宅購入・建築検討者』調査 (2020年)の結果、コロナの拡大によって、検討者の4%が「検討を中止した」と回答した一方、「影響はない」と回答した人は41%となっており、住まい探しへの影響は限定的となっています(※3)。
コロナ拡大による住宅に求める条件として、在宅勤務を想定した仕事専用スペースなどが上位に挙がり、住宅の広さや設備環境のほか、住み慣れたエリアにこだわる人が増加しました。また、一戸建てを検討する人も増えてきています。
●住まい探しの手段も変化
また、2020年9月~11月の調査(※4)では、物件情報入手経路として「インターネット」が60.9%で最も多く、次いで「不動産店へ直接行く」で 32.2%となっており、詳細な情報までインターネット上で収集したいというニーズがさらに高まっています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、不動産業の企業は経営や業務への影響に対して、さまざまな対策を講じていますが、その対策の中でも「リモート接客」 と「オンライン内見を導入」が4割以上となり、前期から大きく上昇したという調査データもあります(※5)。
このような非対面営業へのニーズの高まりを受け、不動産業の各社ではリモート接客ツールの導入が進んでいます。導入されているツールとしては、次の3種類が主となっています。
・VR内見ツール
VR(バーチャルリアリティ)の技術を用いて、物件の内見を画像や映像を通じ、オンライン上で提供するツールです。顧客はインターネット上から内見ができるメリット、企業側はリモートで接客ができるメリットがあります。
・リモート接客システム
リモート接客システムとは、従来、店舗などで実施していた接客を、オンラインで完結するためのツールです。ビデオ通話システムと似ていますが、顧客からの予約機能や、データ収集・分析機能など、接客に特化した機能を持つのが特徴です。
・チャットボット
チャットボットとは、Webページやアプリ上で機能する無人のチャットシステムです。顧客が知りたい情報を自ら入力すると、自動でロボットが適した回答を返します。非対面のオンラインで接客できるほか、24時間365日の接客を可能にし、完全に無人対応も可能なケースにおいては、特に省人化や業務効率化などのメリットも見込めます。
不動産業では、コロナ禍の影響によって非対面営業への対応を余儀なくされているほか、問い合わせ件数の増加に伴う、業務効率化も求められています。
先述の調査(※6)においては、経営及び業務への影響として「クレーム・問い合わせが増加」が5割以上となりました。
コロナ禍でのステイホーム、在宅勤務の増加によって、住宅環境への関心が大きくなっていることがうかがわれます。
このような背景から、問い合わせへの迅速な回答により顧客満足度を高めることや、本来の業務を圧迫しないように問い合わせ対応業務を効率化することが重要になっています。
先に取り上げたリモート接客ツールの中でも、チャットボットは、不動産業における契約前、入居後の問い合わせ対応が可能となり、非対面営業や業務の効率化に役立つツールです。
●チャットボットで可能な問い合わせ対応
チャットボットでは具体的に次のような問い合わせを受けることができます。
・契約前のサービスについての問い合わせ
サービスやサポートの内容はどうなっているのか、店舗の営業時間など、契約前のサービスに関する問い合わせ全般に対応可能です。
・不動産売買や賃貸に関する問い合わせ
不動産売買や賃貸契約を目的とするユーザーが、物件を検索する前に決めておくべきことや、物件の探し方、 内見のポイントなどのアドバイスを提供することができます。
・入居後の問い合わせ
物件に入居した後に知りたい、ゴミの出し方、駐車場の契約方法、水漏れなどのトラブルが起きてしまったなどの問い合わせに対応できます。
●チャットボットのメリット
また、チャットボットには、次のようなメリットがあります。
【企業側】
1.よくある問い合わせに自動回答できるので、業務効率化が可能。
2.電話やメールフォームより気軽に問い合わせしてもらえる。
3.問い合わせデータが残るため、ユーザーの関心事がわかる。
4.チャットボットをホームページ上に設置することで、ユーザーが欲しい情報をチャットボットでタイムリーに伝えることができ、ユーザーに興味を持ってもらい、さまざまなページを見てもらうことが可能。ホームページの滞在時間が増え、資料請求増加なども期待できる。
【顧客(ユーザー)側】
1.電話やメールフォームより問い合わせがしやすい。
2.待ち時間なく疑問をスピーディーに解決できる。
3.FAQ等を参照元するよりも、検索がより簡単にできる。
4. 24時間365日問い合わせができる。
コロナ禍で、不動産店舗側では、営業活動・顧客とのコミュニケ―ションのオンライン化を進めて商談機会を増やしています。一方で、問い合わせ対応業務が増大してしまい対応に追われるという、新たな課題にも直面しています。
お客様とのコミュニケーション強化により、多様化するニーズへの対応と商談機会のロスをなくしていくことが必要になっています。非対面かつ問い合わせ対応業務の効率化の両方を実現するチャットボットは、不動産業にとって有用なツールです。
リコーの「RICOH Chatbot Service」は、不動産業の企業様の導入実績が豊富にあります。ぜひお気軽にご相談ください。
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RICOH Chatbot Service紹介資料はこちら
※1:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 日管協総合研究所「第25回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』 2020年10月~2021年3月」
https://www.jpm.jp/marketdata/pdf/tankan25.pdf
※2:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 日管協総合研究所「第24回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』 2020年4月~2020年9月」
https://www.jpm.jp/marketdata/pdf/tankan24.pdf
※3:リクルート住まいカンパニー「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査(首都圏)」
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20210603_housing_01.pdf
※4:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会、(公社)全国宅地建物取引業保証協会 「不動産の日アンケート」 住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」
https://www.zentaku.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/02/2020-fudousan-anke-to.pdf
※5:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 日管協総合研究所「第25回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』 2020年10月~2021年3月」
https://www.jpm.jp/marketdata/pdf/tankan25.pdf
※6:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 日管協総合研究所「第25回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』 2020年10月~2021年3月」
https://www.jpm.jp/marketdata/pdf/tankan25.pdf
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