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最終更新日:2025年12月15日

チャットボットの選び方を活用シーン別に紹介

チャットボットを企業が導入する場合、自社のビジネスや環境に最適なチャットボットを選ぶ必要があります。その最適なチャットボット選定のために欠かせないのが、「トライアル」です。まだチャットボットの選定中や検討中で、導入を決めていないサービスであっても、積極的にトライアルで試すことをおすすめします。
そこで今回は、チャットボットのトライアルの必要性と、トライアル時に確認すべきポイントを解説します。

1. チャットボットの選び方の大前提

最適なチャットボットを選定して導入するためには、まず大前提として、現在、どのようなチャットボットサービスがあるのかを知る必要があります。
現在、各社から、さまざまなチャットボットサービスが提供されているため、各サービスの特徴や機能を知り、比較することが重要です。

そもそもチャットボットとは、Webサイトに訪れたユーザー向けにWebサイトやアプリ上に設置するチャットツールのことです。ユーザーがチャットツールへ質問ややりたいことなどを入力すると、リアルタイムで回答を得ることができます。
チャットボットには様々な種類があり、導入目的や導入部署などに合わせて、選ぶことをおすすめします。

例えば、現在、注目を集めているチャットボットサービスの特徴を挙げてみると、次のようなものがあります。

辞書型とAI型のハイブリッドで導入・運用のハードルが低い

AIを搭載しているチャットボットサービスの中でも、コストを抑えて導入できるほか、Excelの業種別テンプレートでQ&Aを簡単に作成できるといった導入・運用の手間が最小限になっているサービスです。初心者でも簡単に利用することができます。

Webサイト上のチャットで簡単設定可能

Webサイト上の問い合わせ対応のチャットボットに特化したサービスです。有人チャットと無人チャットのどちらの運用も可能で、フローチャートによる視覚的な操作で簡単にシナリオ作成ができるのが特徴です。ルールベース型とAI型の2種類を提供しています。

AI型チャットボットの開発・導入・運用をフルサポート

AI型チャットボットを、開発から導入、運用まで一貫してサポートを行ってくれるチャットボットサービスです。価格はそれだけ高くなりますが、精度の高いチャットボット導入が期待できます。

どのチャットボットサービスも、機能やサービスが充実しており、どれも良さそうな気がしてくるかもしれません。多くの優れたチャットボットサービスを目の前にして、選び方がわからない、というお悩みは多く聞かれます。

そこで、チャットボットの選び方としておすすめしたいのが、これらのチャットボットサービスを比較する際に、次のポイントを押さえることです。

チャットボットの比較ポイント

・導入の手間はどのくらいか
・Q&Aデータの設定や機械学習がむずかしくないか・作業負荷はどのくらいか
・サポートが導入時・運用時の両方あるか、サポートの範囲やレベル、期間はどのくらいか
・デモやトライアルがあるか、それぞれの期間、費用はどのくらいか

これらのポイントは、各社で考え方が異なるため、力の入れ具合も異なり、差がはっきり出るものです。また、これらの比較ポイントを押さえることで、チャットボットの成果が得られるかが変わってきます。ぜひこのポイントを押さえて選ぶのをおすすめします。

2. チャットボット導入のメリット

チャットボット導入は、企業が抱える様々な課題を解決し、ビジネスの成長を支援する多くのメリットをもたらします。最も分かりやすいメリットは、顧客応答の自動化による運用効率化です。特にカスタマーサポートにおいては、チャットボットが自動で定型的な問い合わせに応答することで、オペレーターはより複雑な課題の解決に集中できます。これにより、電話やメール対応にかかる担当者の工数が大幅に削減され、組織全体の生産性向上に繋がります。

さらに、顧客体験の改善にも大きく貢献します。チャットボットは24時間365日応答可能であるため、顧客は時間や場所を問わず必要な情報を得ることができ、顧客満足度の向上が実現します。また、チャットボットとの対話の履歴や、解決できなかった課題に関するデータを分析することで、FAQやナレッジベースの改善点を明確にし、継続的なサービス品質の向上に役立てることも可能です。

社内での効率化も重要なメリットです。総務や情報システム部門などへの頻繁な問い合わせに自動で応答する社内向けチャットボットを導入することで、担当者の業務負担を軽減し、従業員満足度の向上とコア業務への集中を実現します。チャットボットは単なる自動化ツールではなく、業務の改善と競争力向上のための強力なパートナーです。



3. チャットボットの活用シーン別の選び方

具体的な活用シーンによって、チャットボットを選ぶ際のポイントが変わってきます。よくある活用シーン別に最適なチャットボットをご紹介します。

カスタマーサポート

よくある質問と回答を掲載しているFAQの役割をカスタマーサポートとして利用する場合には、定型質問に強い辞書型がおすすめです。辞書型とは、質問文からキーワードを解析し、辞書に登録しているキーワードに対する回答の中から回答を選択して返信するタイプです。一方、よくある質問以外の複雑な質問については、有人対応を検討すると良いでしょう。

社内外ヘルプデスク

社内の問い合わせ対応としてヘルプデスクの用途でチャットボットを利用する場合は、カスタマーサポートと同様によくある質問と回答を掲載しているFAQの役割のほか、複雑な質問にも対応する必要がある場合もあります。
社内問い合わせでは、例えば年末調整や経費精算、健康診断などに関する定型質問であれば辞書型が良いですが、イレギュラーな内容に対応したい場合にはAI型を検討しても良いでしょう。

顧客への情報提供

自社のWebサイトに訪れた顧客や見込み客に商品などの情報提供を行う用途でチャットボットを提供する場合には、シナリオ型、辞書型、AI型などのチャットボットが選択肢に上がるため、最適なものを選びましょう。

コミュニケーション

チャットボットの設置目的として、自社のWebサイトに訪れた顧客や見込み客に対して、マスコットキャラクターをチャットボットで対応させ、会話を楽しんでもらうというコミュニケーション用途があります。
その場合は、キャラクターの受け答えが成長していくことや個性が強まることが良いとされるため、AI型が適しています。



4. チャットボット選びにトライアルが欠かせない理由

一般的にチャットボットサービスには、トライアル期間が用意されており、数週間から1ヶ月ほど、自社の環境に導入し、本番環境にて試すことができます。

このトライアルはほとんどの場合、無料なので、「やってもやらなくてもいい」と捉えられがちですが、実は非常に重要です。
なぜなら、チャットボットをいきなり導入した後で、次のようなことに気付くケースもあるためです。

チャットボットの導入でよくある失敗

・チャットボットの操作や設定が思ったよりもむずかしく、運用負荷がかかってしまうことが判明した。
・環境構築時点で自社に合わない点が見つかった。
・ルールベース型とAI型のどちらが適しているかが結局、わからないまま導入し、運用することになった。


チャットボット導入前にトライアルを行うことで、これらのような事態を防ぐことができる上に、次のような効果も得られます。

チャットボットのトライアルで得られる効果

・自社のビジネスや社内環境に適したチャットボットが見えてくる。
・他社のチャットボットサービスとの比較ができる。
・チャットボットのQ&Aの設定にかかる工数や、設定方法の不明点が分かる。
・導入後の運用イメージが明確になる。
・Q&Aの設定やシナリオの構築などを本番環境で試用することができる。
・社内でテスト稼働することができるので、利用者の使い勝手やQ&Aの有効性、必要なQ&Aなどが分かる。
・トライアルの実施結果は、チャットボット選定段階において、上長へ報告・提案する際の貴重な資料となる。

このように、チャットボットの導入を検討する際に、トライアルを実施することは重要なポイントとなります。
サービス資料などだけで比較をすると、どのサービスも良く見えて自社に一番合ったチャットボットがどれなのかがわかりづらくなります。チャットボット導入後に失敗しないためにも、トライアルの実施は、チャットボットの選び方の中で、重要な確認ポイントとなります。

5. チャットボットのトライアルが失敗するケースも

上記のことから、チャットボットのトライアルはとても重要といえます。一方で、チャットボットのトライアルを実施しても、トライアル自体が失敗に終わってしまうケースがあります。
例えば、次のケースが考えられます。

チャットボットのトライアル実施でよくある失敗

・業務が立て込んでしまい、気が付いたら何もできずにトライアル期間が終わっていた。
・いざトライアルを始めたものの、設定や操作がむずかしく、サービス提供元にサポートしてもらう必要があり、
面倒に感じた。
・トライアルは十分できたが、効果を確認できる機能がない、もしくは効果を確認するまでに至らず、
社内での承認が得られなかった。


このような失敗を防ぐためには、トライアルを実施する際にも、ただ漫然と行うのではなく、ポイントを押さえて実施することが大切です。

6. チャットボットのトライアル実施時に確認すべきポイント

ここでチャットボットのトライアルを行う際に、確認すべきポイントをご紹介します。

・チャットボットのインターフェースや管理画面の使い勝手はどうか、操作しやすいか
・チャットボットの設置は簡単か
・シナリオやQ&Aの設定は簡単か
・自社のビジネスや目的に合うか
・トライアル時のテスト運用で、ある程度、効果が実感できるか
・費用は適切か
・効果を確認できる機能はあるか、使いやすいか
・サポートに問い合わせをしたとき、サポート体制や丁寧さはどうか
・外部ツールとの連携は可能か、簡単にできるか

このように、チャットボットのトライアル時にはさまざまな目線から確認しておくことで、自社にとって最適なチャットボットの見極めが可能になります。たとえ、比較選定の段階であっても、トライアルを積極的に行い、これらの項目をチェックするのをおすすめします。

トライアルに必要な条件

チャットボットの選び方で失敗しないために、上記のような確認をしながら、しっかりとトライアルを行うためには、トライアル自体にある程度の必要条件があります。例えば、次のようなトライアルを提供するチャットボットサービスがおすすめです。

・十分に検証できる期間が用意されていること
・製品版と同じ機能を活用できること
・設定や運用が簡易で、かつサポートが用意されていること
・効果を検証するための効果測定が「見える化」され、かつ適正なデータを収集できること

機能制限があり、トライアル期間が1~2週間程度、サポートはなし、効果測定ができないといったトライアルでは、重要なことを確認することができません。機能制限がなく、期間は1ヶ月程度、サポートもしっかりしてくれて、効果も「見える化」されているといったトライアルが理想です。
【お薦め資料】 「成功するチャットボットサービス選びの極意:完全ガイド」

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リコーのチャットボットサービスであるRICOH Chatbot Serviceは、1ヵ月間、無料で全機能の制限なく*、トライアルが可能です。導入イメージや効果、機能の使い勝手など、リアルな利用イメージを無料で体験できます。
(*対象プランは、Starter、Standard)

本番環境での利用が体験できるほか、トライアル中、サポートセンターから導入支援も受けられます。シーン別、業種別Q&Aテンプレートが用意されているため、設定や運用も簡単です。また、導入効果がわかるツールが用意されており、可視化もされるので、それを画面で実際に見ることも可能です。トライアル実施後、導入を決めた場合も、トライアルから本番環境に一部設定やデータを移行することもできるので、1から導入し直す必要がありません。

チャットボットのトライアルはとても重要です。その際には、トライアルの失敗を防ぐための確認ポイントを押さえながら、しっかりとトライアルが実施できるチャットボットサービスを選ぶことをお勧めします。

リコーチャットボットサービス  1か月間の無料トライアル チャットボット製品サイトはこちら 【お薦め資料】 「成功するチャットボットサービス選びの極意:完全ガイド」

7. チャットボット導入に伴うセキュリティ問題への対策

チャットボットが顧客情報や社内機密情報を取り扱う際、セキュリティ問題への対策は避けて通れない課題です。特に、AIチャットボットが学習データや対話内容を扱う場合、適切な対策を講じなければ、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクが発生します。この課題を解決するには、ツールの選定段階からセキュリティ機能を厳しく評価することが重要です。

データ検索と参照の制御

チャットボットが応答するために企業内のナレッジベースやデータベースを検索する場合、ユーザーの権限や属性に基づいてアクセスを制限する仕組みが必要です。全ての情報に誰でもアクセスできる状態は避け、機密性の高い情報は特定担当者のみが検索・閲覧できるように設定を行います。また、データ暗号化は情報の安全性を向上させる基本的な対策です。自動で暗号化される機能を持つサービスを選定し、送受信および保存データの両方を保護することが求められます。

ログ分析と監査体制の整備

セキュリティ課題を未然に防ぐため、チャットボットの利用ログを詳細に分析し、不審な検索や対話を検知できる監査体制の整備が不可欠です。誰が、いつ、どのような情報を検索し、どのような応答があったのかを記録し分析することで、万が一の事態に迅速に対応できる体制を構築します。このような監視と分析によって、継続的なセキュリティレベルの改善と向上を図り、担当者も安心して運用を自動化できます。



8. AIで広がるチャットボットの可能性

AI技術、特に大規模言語モデル(LLM)の進化は、チャットボットの能力を劇的に向上させ、その可能性を大きく広げています。従来のチャットボットが、あらかじめ設定されたシナリオやFAQに依存する自動応答担当者であったのに対し、新しいAIチャットボットは、より複雑で非定型的な課題の解決を実現します。

RAG技術による検索精度の改善

特に注目されているのが、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)と呼ばれる技術です。これは、LLMの持つ高い対話能力に、企業が持つ独自のドキュメントやデータ(社内マニュアル、製品仕様書など)を検索・参照する機能を組み合わせたものです。これにより、AIが勝手に誤った情報を応答する「ハルシネーション」のリスクを抑えつつ、社内情報に基づいた正確な応答を実現します。ユーザーは欲しい情報を確実に検索・解決でき、担当者の確認作業を大幅に軽減し、自動化のメリットを享受できます。

データの学習と分析に基づく能動的な対話

AIチャットボットは、過去の対話データや顧客の行動を学習し、傾向を分析することで、よりパーソナライズされたサービスを提供できます。単に質問に応答するだけでなく、ユーザーの意図を先読みして関連情報を提供したり、購入課題の解決を促すような能動的な対話を実現したりすることが可能です。この高度な分析と学習能力は、マーケティングや営業活動の効率化と向上という新たなメリットをもたらします。



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