AIの種類とは?
汎用型・特化型・強いAI・弱いAIの違いやできることを解説
AIの種類は、分類する観点によって4つにわけられるといわれています。しかし、定義やどのような違いがあるのか、わかりにくいと感じる人も多いでしょう。この記事では、AIシステムの導入を検討している企業の担当者に向けて、AIの種類や違い、AIにできることなどについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
そもそも、AIとは何なのでしょうか。ここでは、AIの定義や歴史などについて解説します。
明確な定義は存在しない
AIとは「Artificial Intelligence」を略した言葉で、人工知能のことです。一般的には、人の脳の働き、つまり人間の脳が行っている思考や学習などの能力・活動を、コンピューターなどで人工的に作り出したシステムを指します。しかし、AIには明確な定義はありません。そのため、AIには「機械学習」や「ディープラーニング」など、さまざまな分野が内包されています。AIの歴史
AIは1950年代に第1次ブームを、1980年代に第2次ブームを迎えましたが、どちらのブームでも大きな成果を残すことはできず、次第にブームは廃れていきました。現在、2011年頃から第3次ブームを迎えています。機械学習などの進歩によって技術は大きく進化し、さまざまなアプリケーションなどが生み出されています。これは機械学習だけでなく、ディープラーニングなどの新技術が登場して、商用化されたことが大きく関係しています。
AIの種類は、機能的な観点からみると「特化型」と「汎用型」の2つに、心を持つかどうかという観点からみると「強いAI」と「弱いAI」の2つに分けられます。ここでは、まず特化型と汎用型の違いについて解説します。
特化型AIとは
特化型AIとはその名のとおり、個別の分野・領域に特化したAIです。決まった役割の中で、限定された範囲の処理を行うシステムです。特化型AIの活用例としては、気象データを分析して天気を予測するシステム、画像や音声認識、自動運転システムなどに使われています。現在実用化されているAIはすべて、特化型AIに含まれます。汎用型AIとは
汎用型AIとは、役割が限定されず、さまざまな役割や課題を処理できるシステムです。柔軟性が高く、自分がどのような状況にあるのかを理解して、取るべき行動を考えることができます。特化型よりも、より人間に近いシステムだといえるでしょう。実用化が期待されていますが、未だ実現はしていません。前述にて特化型AI(ANI)と汎用型AI(AGI)についてご紹介しましたが、汎用型AIの進展により3段目のステージである人工超知能(ASI)が誕生すると言われています。
人工超知能(ASI)とは
人工超知能(ASI)は、人間以上の知能を持ち、これまで人間にはできなかった高度なことも自動で処理することができるAIです。ASIは、人間の知能を遥かに超える可能性があることに加えて、自己目的を持ち、自己意思決定を行うので、人間の意志に従う必要はありません。ASIが実現すれば、人類にとって大きな影響を与える可能性があると同時に、人類の存続を脅かす可能性もあるため、注意深く研究が進められています。
強いAIと弱いAIとは、特化型AI・汎用型AIとは異なる観点での分類方法です。それぞれ、どのような違いがあるのか解説します。
強いAIとは
強いAIとは、自意識や心を持っているAIのことです。あらかじめ行動内容をプログラミングしたり、データを与えたりしなくても、状況を自らが判断して行動ができる、人間のような思考・知能を持つAIのことを指します。強いAIと汎用型AIは同じものとして考えられています。身近な例でいえば「ドラえもん」やSF映画などに登場するロボットなどがこれに当たります。しかし、強いAIは現時点ではまだ実現化はしていません。
弱いAIとは
弱いAIとは、強いAIとは逆に自意識や心を持たないAIです。与えられた役割やプログラミングされた行動は自動で行えますが、プログラムにない行動や想定されていないトラブルなどは処理できません。人の知能や行動の一部を模倣して、特定の作業や役割だけをこなすAIだと思って良いでしょう。現在実用化されているAIは、すべて弱いAIに分類されています。また、特化型AIと弱いAIは同一のものだといえます。
AIはどのようなことができるのでしょうか。ここでは実用化、もしくは現在開発中のAIができることを紹介します。
応答
チャットボットには、AIが活用されています。チャットボットとは、チャットとボットを組あわせた造語で、自動会話プログラムを指します。文字だけでなく音声を使用しての会話も可能です。高精度な自動回答が可能なチャットボットもあり、コールセンターや電話対応サポートだけでなく、さまざまな業種で活用されています。言語処理
言語処理では、書かれた文章を理解することができます。そのため、翻訳や要約、データを用いた記事の作成などが可能です。特に翻訳は精度が高く、今後もさらに向上すると見込まれています。また、言語処理を活用して、決算情報やスポーツの試合結果などを知らせる記事では、言語処理が使われているケースも多いようです。音声理解
音声理解(音声認識)では、AIが音声を理解して会話することが可能です。音声理解は自然言語処理技術の一つで、人間が普段話している言葉を処理して理解できるため、自然な会話ができます。音声理解は、GoogleアシスタントやSiri、スマートスピーカーや議事録の文字起こしなどに活用されています。画像認識
画像認識とは、何の画像なのかを判別できるシステムです。画像認識を活用することで、防犯カメラなどに映っている人の特徴を認識できたり、車内カメラの映像から信号の位置や白線、人物の位置などを解析できたりします。また、ディープラーニングの進化によって精度が向上し、顔認証システムの実用化も進んでいます。画像キャプション
画像キャプションとは、画像についての説明文をAIが自動で生成してくれる機能です。画像キャプションでは、画像認識だけでなく状況判断能力が必要になります。例えば、写っているものが「猫」だとわかるだけでなく、その状況を判断できる能力があれば、「猫が寝ている」というような説明文をつけられるようになります。推論
推論とは、過去の知識をもとにしてトレーニング学習をし、新たな解答をみつけることを指します。推論はルールの決まっているゲームなどに、特に適している技術だとされています。例えば、オセロやチェス、将棋や囲碁などのゲームではすでに活用されており、2017年には将棋の名人相手にAIが勝利しました。株価予測
株価はさまざまな要因で変動しますが、AIに株式関連情報や株価チャートなどを学習させることで、株価予測も可能になります。AIは人間のように判断基準が曖昧ではなく、明確な基準で判断します。そのため、安定した成績が期待できるでしょう。AIの株価予測を活用している証券会社もあります。レコメンド機能
レコメンド機能とは、ユーザーごとにおすすめ商品を選び出して紹介する機能です。ユーザーの購入履歴や閲覧したページなどのデータを分析して、それぞれにあった商品を表示・提案できます。ユーザーのニーズにあった商品を表示することによって、販売促進や購入意欲の向上などが見込めるため、販売量増加のために活用されます。機械制御
機械制御は従来の自動化とは異なり、AIにデータを理解させ、学習しながら最適な制御を行うという特徴があります。機械制御はさまざまな分野で活用されており、自動車や建設機械、産業用ロボットなどに用いられています。その他にも、センサーによる生産ラインの自律制御なども行われており、幅広い活躍が期待できるでしょう。AIアシスタントとは、人の生活の中でより身近に活用されるようになったAIです。声や質問などに反応して、さまざまなタスクを人の代わりに行ってくれます。例えば、スマホに搭載されているSiriやGoogleアシスタント、Amazon Echoなどのスマートスピーカーなどが、AIアシスタントに分類されます。アメリカや中国、韓国では人気の高いAIです。
採用されている技術
AIアシスタントは、音声を理解して言語化したうえで必要な検索をするなど、さまざまな技術が組みあわさって、最適な行動がとれるようになっています。具体的には、音声認識とチャットボット、質疑応答や検索機能など複数のAIが採用されています。流通しているAIアシスタントは、4つあります。ここでは、それぞれのAIアシスタントについて詳しく解説します。
スマートスピーカー
スマートスピーカーとは、家の中で音楽を流したり家電を操作したり、天気予報などを気軽に調べられるAIアシスタントです。スマートスピーカーの特徴は、照明機器やエアコンなどの家電類と連携させられることです。リモコン操作が必要なく、スマートスピーカーに話しかけるだけで、スイッチのオンオフなどが可能となります。アプリ
AIアシスタントを搭載したスマホアプリで、iPhoneのSiriやAndroidのGoogleアシスタントなどが有名です。スマホに標準搭載されているケースも多く、身近なAIだといえるでしょう。音声を認識して、検索や電話などがかけられます。その他にも、音声認識を利用したテキスト入力機能などがあり、声だけで文章が書けます。車載AIアシスタント
車に搭載されているAIアシスタントで、運転中でも声だけで操作ができるAIです。運転中はちょっとしたハンドル操作やよそ見などが大きな事故につながる可能性があります。車載AIアシスタントでは、ハンズフリーでカーナビの操作や音楽再生などが行えるため運転に集中でき、便利に使えるだけでなく運転時の安全性が高まります。ロボット
ロボットにもAIが搭載されています。よく知られたロボットとしては、Softbankの「Pepper」が挙げられるでしょう。人と会話して案内したり、決められたプログラムに従って自動で動いたりできます。ロボットは、例えばホテルのフロント業務やビルの清掃業務などに活用されるケースや、飲食店の配膳担当として採用している企業もあります。AIチャットと呼ばれるサービスは、AIが質問に対して自動で応答できる機能を持ち、ビジネスにおいて今後ますます重要な役割を担うことでしょう。
ChatGPTの登場により、より一層AIチャットに対する注目が集まっています。ChatGPTを含むAIチャットの種類を3つご紹介します。
●ChatGPT
ChatGPTはOpenAIが開発した人工知能が搭載されたチャットボットで、自然言語処理技術を使用してユーザーとの対話を行うことができます。
●Google Bard
Google BardはGoogleが開発した人工知能搭載の対話型検索サービスです。ユーザーの文章での質問に対し柔軟な回答を実現します。
●Notion AI
Notion AIとはNotionと呼ばれるアプリ内で使用できるAIアシスタントサービスです。
Notionで文書を作成する際、添削や改善を自動で行ってくれる他、文書の要約や文章を読み取り表を作成することもできます。
AIを搭載したツールの一つにチャットボットがあります。
チャットボットとは、Webサイトやアプリ上に組み込むことで、ユーザーと自動的に会話を行うプログラムのことです。近年ではAI技術の発展により、様々なチャットボットが登場しています。
代表例として、チャットボットには以下のようなAI技術が使われています。
AIの種類やできることについてご紹介しました。AIを活用した技術を導入し、業務を効率化したいと考えている企業は多いものの、何から始めればいいか迷ってしまうケースもあるでしょう。チャットボットは、他のAIと比べて比較的コストが安価で導入期間も短く、専門知識が不要なものも多いことから、多くの企業に採用されています。
「RICOH Chatbot Service」は、簡単に導入でき、らくらく運用が可能なチャットボットです。学習済みAIを使用しており表記ゆれを自動吸収できるなど、高精度な自動回答ができます。チャットボットの導入をお考えなら、ぜひお問い合わせください。
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