チャットボットの運用を成功させるには?
導入検討時のポイントも紹介
非対面のコミュニケーションツールとして、また業務効率化の手段として注目を集めるチャットボット。導入後は、さまざまな運用課題に直面するため、それらを一つ一つ解決していくことで、成果につながっていきます。そこで今回は、チャットボットの運用を成功させるためのポイントをご紹介します。
そもそもチャットボットを導入することにどのような意味があるのでしょうか。チャットボットは導入することで、企業が抱える人手不足やカスタマーエクスペリエンス(CX)向上といった課題に適切に対応します。主なメリットは以下の3点に集約されます。
●24時間365日の問い合わせ対応
チャットボットは時間や場所を選ばず稼働するため、営業時間外の問い合わせにも自動で対応できます。これにより、顧客や社員はいつでも必要な情報を得られるようになり、顧客満足度の向上に直結します。また、即時対応が可能になることで、ユーザーの離脱を防ぎ、スムーズな情報提供が実現します。●対応業務の効率化
定型的な問い合わせ対応をチャットボットが自動で処理する仕組みを作成することで、担当者の負担が大幅に軽減されます。特にFAQや社内ヘルプデスクなど、回答内容が定型化されている業務では、効率的な対応が可能です。担当者は、より複雑で高度な人間による判断が必要な業務に集中できるため、全体の業務効率化が図れます。●データ蓄積と顧客ニーズの可視化
チャットボットとの対話ログはデータとして蓄積されます。このデータは、ユーザーがどのような内容に困っているのか、どのような表現で質問するのかといった顧客ニーズを明確にする貴重な情報源となります。この分析結果は、製品・サービスの改善やマーケティング戦略の作成に活用でき、企業活動全体の効率と質を向上させる理由となります。チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説
チャットボットの導入後に生じる、よくある運用課題には次のようなものがあります。
Q&Aを整備する人的リソースが不足している
人手不足や働き方改革等を背景に業務効率化の必要性が増す中、人的リソース不足が深刻でチャットボットを導入後になかなかQ&Aを整備できないという課題です。チャットボットはシナリオ型や辞書型の場合に自身でQ&Aを整備することが欠かせないため、運用体制を整えられないとチャットボットの精度が上がっていきません。例えば、社内でMicrosoftの総合業務ツールMicrosoft 365を導入後、使い方やトラブルに関する社内問い合わせが多く、問い合わせ対応で業務が圧迫されているという課題はよくあります。それをチャットボットで代替しようとしても、Microsoft 365の問い合わせは数も種類も多く、なかなかQ&Aが整備できず、チャットボットの精度が低くて社員に利用されないというケースもあります。
チャットボットの利用が増えない
チャットボットを設置したものの、ユーザーの利用が増えないという課題です。問い合わせを受ける目的のチャットボットであれば、電話や問い合わせフォームからの問い合わせが減らず、導入の効果が得られないケースがあります。運用方法が分からない
運用開始後、どのように改善していけば良いかなど、良い運用方法が分からない課題です。業務効率化の成果が出ない
チャットボットは、人の業務を代行することで業務効率化を実現できますが、一向にその成果が得られないことがあります。チャットボット運用時には上記のような課題が出る可能性があるため、その課題が起きないように事前の準備が重要です。チャットボットの導入前に気をつけるポイントをご紹介します。
●運用体制を整えておく チャットボットは運用中のメンテナンスにより回答精度を上げていくことがとても大事です。シナリオやQ&Aを整備し、見直すための人員を複数人、確保しておきましょう。運用体制を事前に整えておくことで、継続的にチャットボットの精度を上げ、磨き上げていくことができます。
●運用方法は事前に確認しておく もし運用方法がわからなければ事前にチャットボットサービスを提供している事業者に、ノウハウをヒアリングする、または他社の過去事例を確認して運用方法を真似できるところはないか探るなどして知識を増やしておきましょう。
●運用サポート体制の有無を確認する 導入しようとしているチャットボットサービスで、運用サポートはどのくらい受けることができるのかを事前に確認しましょう。サービスによって、どこまでサポートしてくれるかは、かなり差があります。特にチャットボットサービスの導入が初めてで運用方法がまったくわからないという場合には、運用サポートが非常に重要です。
●目的を明確にして指標を設定する チャットボットの運用で失敗しないためのポイントの一つに「ゴールを明確に設定する」ということがあります。例えば「電話問い合わせを40%削減する」という目標値を設定します。具体的な数値目標を設定することで、チームがその数値目標に近づこうと一斉に向かうので、一致団結しやすくなります。
チャットボットは、導入しただけでは成果を出すことができず、その運用管理が成功の鍵を握ります。では先述の運用課題を解決するためのヒントを解説します。
Q&Aのテンプレートを利用する
Q&Aを整備するリソースが不足している課題は、リソースを確保する対策の他に、できるだけ簡便にする方法があります。例えば、業種・部署別にある程度、よくある質疑応答のベースができあがっているQ&Aのテンプレートを利用する方法があります。テンプレートを改変するだけで良いので、一から作るよりもスピーディーに、Q&Aを最短で整備することができます。例えば、Microsoft 365に関する問い合わせ対応であれば、Microsoft 365の代表的な質疑応答を集めたQ&Aテンプレートを利用できるチャットボットサービスもあります。
UIやQ&Aを見直す
チャットボットの利用が増えない場合には、まずUI(ユーザーインターフェース)を見直す必要があります。例えばWebサイトに訪問中のユーザーがチャットボットを使いたいタイミングでチャットボットが目立つ位置にあり、使い方も手にとるように分かる状態であれば、利用率は上がるでしょう。またチャットボットが使われたとしても、Q&Aの精度が低いとユーザーに「使えない」と感じさせてしまいます。会話ログなどを確認しながらユーザーがどこでつまずいているのかを知ることから始める必要があります。データ分析機能を使う・サポートを利用する
運用方法が分からない場合には、チャットボットの利用データを見てどのような傾向があるのか現状把握をすると良いでしょう。そこから改善点を見つけていきます。チャットボットサービスのサポートをうまく利用することもおすすめです。KPIを設定する
業務効率化の成果が出ない場合には、まず何がネックかを分析する必要があります。データ分析機能などで問題を見つけましょう。またあらかじめKPIを定めておくことも重要です。回答数、起動率、CV数などを指標として持ち、それらの数値を追い、分析、改善していきましょう。
チャットボット導入後にどのように効果測定を実施していけばいいのでしょうか。ここでは、評価指標ごとに効果測定方法をご紹介します。
1. チャットボットの起動数
起動数とは、チャットボットを設置したWebサイトにおいて、ユーザーがチャットボットを起動した回数のことを指します。起動数が少ない場合は、Webサイト上の画面の設置位置がわかりづらいなどの原因を探り、改善する必要があります。
2. チャットボットの対応件数
チャットボットがユーザーに対して対応した件数のことです。起動しただけではなく、ユーザーが文字を打ち込んだり、選択肢から選んだ後など、チャットボットが何かしらの表示をした件数のことです。
チャットボット起動数のうち、対応件数がどれくらいなのかを知ることで、チャットボットの利用率を知ることができます。利用率が少ない、つまり起動しているのに対応件数が少ない場合は、チャットボットの初期メッセージの見直しなどをする必要があるでしょう。
3. チャットボットの回答率
ユーザーからの質問などの問い合わせに対してチャットボットが「回答できた」件数の割合を指します。これは、チャットボットの対応件数に対して、チャットボットが回答を返すことができたかどうかの割合です。つまり、「その質問には回答できません」などのチャットボットの対応は含みません。もし回答率が低い場合は、ユーザーにとって疑問に思うことに対する質疑応答が準備できていないということになります。ユーザーニーズをとらえ直す必要があるでしょう。
4. チャットボットの正答率
チャットボットの正答率とは、チャットボットが回答した件数のうち、ユーザーの課題を解決できた件数の割合です。回答をしたとしても、本当にそれがユーザーの求めていた回答かどうかはわかりません。
「知りたかった答えが返ってきた」と思ったかもしれませんし、「もっと違う回答が欲しかった」と思ったかもしれません。それはユーザーにしかわかりません。それを知るには、チャットボットで回答を返した後に、「この回答は役に立ちましたか?」などの質問を投げかけ、ユーザーに「はい」または「いいえ」で回答を求め、「はい」と答えた件数を「正答」とする方法があります。これにより、正答率を出すことができます。正答率が低い場合は、ユーザーニーズの見直しと共に、「はい」と答えた回答、「いいえ」と答えた回答共に分析して、改善していく必要があるでしょう。
5. 問い合わせ対応時間の削減率
チャットボットを導入したことにより、従来より電話対応を行っていたオペレーターの対応件数や業務時間がどのくらい減ったのかということを調べることも有効です。問い合わせ対応の部門全体での効果検証が行えます。
チャットボットの導入効果測定のポイントや手順を紹介
チャットボットは導入後の継続的な運用と改善が、期待される効果を出すための鍵となります。効率的で成果を出す運用方法には、大きく分けて二つの重要な側面があります。
●継続的なナレッジベースの作成と見直し
チャットボットの回答精度は、元となるナレッジ(Q&Aデータ)の内容に大きく依存します。そのため、担当者は利用ログを定期的に分析し、回答精度が低い質問や、対応できなかった質問を特定することが重要です。これらのログに基づき、FAQを追記・修正し、シナリオを適切に見直すPDCAサイクルを回す必要があります。特に、サービスや商品のアップデートがあった際は、関連するQ&Aを速やかに作成・反映させ、常に最新の内容を保つことが、ユーザーからの信頼向上につながります。●専門担当者の配置と運用体制の明確化
チャットボットの運用は、「片手間」で行うのではなく、専門の担当者やチームを明確に配置することが成功の理由です。この担当者は、単にFAQを更新するだけでなく、効率化の目標達成に向けたKPIの進捗管理や、データ分析による改善提案までを行う責任を持ちます。チームで運用する仕組みを作成することで、知識の属人化を防ぎ、継続的でスムーズな改善活動を保証します。適切な体制を構築することで、チャットボットのポテンシャルを最大限に引き出し、企業の収益向上に貢献します。
近年、大規模言語モデル(LLM)や生成AIの進化により、チャットボットの運用方法は大きな転換期を迎えています。従来のチャットボットの限界を補い、さらなる効率化と顧客体験の向上を実現する仕組みが注目されています。
●運用負荷の軽減と回答精度の向上
生成AIは、大量のデータから質問内容を深く理解し、柔軟で自然な内容の回答を自動で生成できます。これにより、従来のチャットボットで必要だった複雑なシナリオ作成や、網羅的なQ&Aの作成・チューニングといった担当者の運用負担が大幅に軽減されます。企業内文書を参照させるRAG(検索拡張生成)の仕組みを用いることで、FAQに存在しない質問にも適切に回答できるようになり、回答精度の向上とメンテナンス効率の大幅な改善が期待できます。●マルチAIエージェントによる業務の自動化
生成AIは単なるチャット応答だけでなく、複数のAIが連携し合う「マルチAIエージェント」としての活用が進んでいます。これは、問い合わせ内容に応じて、情報検索AI、要約AI、手続き実行AIなどが自動で連携してタスクを処理する仕組みです。例えば、「この資料を請求したい」という問い合わせに対して、ユーザー情報を確認し、資料を検索し、メールを送信するまでの一連の業務をスムーズに効率化できます。これにより、チャットボットは単なる「問い合わせ窓口」から「業務代行者」へと進化し、企業にもたらすメリットを最大化する要因となります。上記の運用課題を解決するには、リコーのチャットボットサービス「RICOH Chatbot Service」がおすすめです。
生成AI型とQ&A型、両方に対応しており、社内データやQ&A集を管理画面にアップロードするだけで簡単に始められます。
設置個所も簡単なタグをWebサイトに貼り付けるだけで導入できます。またグラフィカルで分かりやすい分析機能が用意されており、誰でも簡単に確認できます。また、導入前後でのサポートも充実しています。
チャットボットの運用を成功させるためのポイントをご紹介してきました。今回ご紹介した課題や解決策のポイントは、一般的なものでもあります。自社の課題解決を実現する方法は他にもあるかもしれません。どのような課題であっても、まずはチャットボットで解決できそうかをお答えいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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