医療機関向け|チャットボットで効率化した事例や運用のポイントを解説
医療事務は細かな業務が多い上に、正確さも求められる重要な仕事です。そうした中、お客様からの電話での問い合わせ対応が増えると業務負荷がかかりやすくなります。
業務効率化が求められる中、医療事務のお問い合わせ対応業務の一部をチャットボットで代替することができます。今回は、医療事務にチャットボットを導入したことで、業務効率化に成功した事例をご紹介します。
医療事務の業務を行う中では、さまざまな課題があります。主に次のようなものがあるといわれています。
・カルテの記録作業に多くの工数が割かれている
・入力ミスや癖字によるミスといったヒューマンエラーが多発している
・お客様からの電話対応が多く、他の業務に支障をきたしている
カルテの記録作業は、未だに手作業で行われていることも多く、手間や時間がかかるほか、誤字や書き間違えなどのミスも発生します。パソコンへの入力作業においても、入力ミスや入力漏れといったヒューマンエラーが多発しているケースもあります。
またお客様からの電話での問い合わせが増えれば、主要な業務を圧迫するケースも出てきてしまいます。
このような課題が重なると、早急に業務効率化の対策を講じる必要が出てきます。
医療事務の課題の中でも、電話でのお問い合わせ対応の課題を解決する手段の一つが、チャットボットを導入することです。チャットボット導入により、医療事務には次のような課題解決が見込めます。
・入電数削減につながる
・顧客は気軽に問い合わせができる
・すぐに回答できるため顧客満足度が向上する
チャットボットがあれば、「電話の前に、まずはこちらに問い合わせてみようかな」とお客様を電話以外に促すことができ、入電数を減らせます。またお客様の問い合わせのハードルを下げられるため、機会損失を防ぐことにもつながります。チャットボットは即座に回答を返し、回答できないものは電話問い合わせを促すなど、即時、お客様対応が可能になります。
ここで、実際に医療事務の電話対応課題を解決した事例をご紹介します。
この事例は、人間ドックを中心とした医療サービスを提供しているクリニックのものです。
導入前
従来、お客様からの問い合わせには、オペレーターが主に電話で回答していましたが、主に次の2つの課題がありました。1.回答に時間がかかりお待たせしてしまっていた Excelにまとめたマニュアルがありましたが、オペレーターは、お客様に聞かれた際に即座にマニュアルから回答を探すことがむずかしく、周囲の人に聞くことになることがしばしばありました。そのため、回答に時間がかかってしまい、お客様をお待たせしてしまうことがありました。
2.回答内容や精度にばらつきがあった 毎回、寄せられる質問は、「風疹抗体検査の手続きの流れはどうするか」や「人間ドックの検査の前に水を飲む際の量はどのくらいか」など、質問の範囲も深さもバラバラであるため、オペレーターによる回答内容や精度のばらつきがありました。
導入後の効果
課題解決のためにチャットボットを導入したところ、電話対応に加えて、月800件程度の問い合わせをチャットボットで受けられるようになりました。そのことで、主に次の2つの効果が得られました。1.顧客満足度が向上 以前は電話問い合わせが多く、つながらないこともあったため、チャットボットによりお客様自身が問い合わせたタイミングですぐに自己解決することができるようになりました。顧客満足度の向上に寄与しています。
2.重要な業務に集中できるようになった これまでは「予約の日程変更は可能か」「再検査をする場合にも予約が必要か」「新型コロナウイルスワクチン接種の予約をしたい」などのよくある質問が多く寄せられていましたが、チャットボットの導入により、これらの質問に対応する工数を削減でき、予約の処理作業など重要な業務に集中できるようになりました。
プラスアルファの効果
プラスアルファの効果として、次の2つのことも得られました。・コロナ禍を受け、当初はお客様の知りたいことがよく分からない状況でしたが、チャットボットの会話ログからお客様の知りたいことが分かるようになった。
・チャットボットにより問い合わせのハードルを下げたことで「疑問はあったけれど問い合わせには至らなかった潜在層のお客様」からの問い合わせが増え、これまでより多くのお客様とコミュニケーションできるようになった。
医療機関における電話対応の改善には、チャットボット以外にもいくつかの方法があります。それぞれの基本的な機能と違いを理解し、自院の課題に合ったツールを選ぶことが重要です。
IVR(自動音声応答システム)
「診療時間の確認は1番、予約は2番…」のように、プッシュ操作で案内を振り分けるシステムです。安価に導入できますが、複雑な質問には回答できず、結局スタッフにつなぐ必要があるケースも少なくありません。
ボイスボット(AI音声対話)
AIが利用者の話し言葉を認識し、音声で自動回答するシステムです。文字入力が苦手な高齢者でも利用しやすい反面、医薬品名などの聞き間違いリスクや、地図などの視覚情報が伝えられない弱点があります。
AIチャットボットサービス
WebサイトやLINEなどのチャット窓口で、テキストや画像を用いて自動応答します。データとして履歴が残るため言った言わないのトラブルを防ぎやすく、Web問診や予約システムへのURL誘導がスムーズなため、医療DXの第一歩としておすすめです。
多くの病院やクリニックでチャットボットの導入が進んでいるのには、医療現場特有の課題を解決できる明確な理由があります。
24時間365日の対応実現とアクセス向上
夜間や休日の発熱相談など、チャットボットなら診療時間外でも自動で対応可能です。患者はいつでも不安を解消でき、来院の必要性を自己判断するトリアージの役割も果たします。
情報の正確性と視認性
診療時間や休診日、予防接種のスケジュールなど、電話では聞き逃しやすい情報も、テキストなら正確に伝わります。地図や駐車場の場所を画像で案内できるのも大きなメリットです。
電話「あふれ呼」の削減と業務効率化
電話がつながらない際の受け皿としてチャットボットを用意することで、受付への電話集中を緩和します。医療従事者が本来の業務や目の前の患者対応に集中できる環境を作り、負担を軽減します。
チャットボットの医療機関への導入を成功させるためには、ITに不慣れな方への配慮や、現場での運用管理がカギとなります。
LINE公式アカウントなどの活用
専用アプリのインストールはハードルが高いため、多くの人が日常的に利用しているLINEなどと連携させるとアクセスしやすくなります。
院内での周知活動
Webサイトに設置するだけでなく、待合室や受付にQRコードを掲示し、「待ち時間にチャットで質問できます」と案内することで利用率を高めます。
有人対応との使い分け
すべての対応を自動化するのではなく、複雑な相談は電話へ誘導するなど、導線を整備することが大切です。ログデータを分析し、患者がよく検索するキーワードをチャットボットの医療用シナリオに追加していくことで、回答精度を向上させましょう。
医療事務の既存の問い合わせ対応に、チャットボットを加えて導入することで、さまざまなメリットが期待できます。
今回ご紹介した事例は、リコーのチャットボットサービスである「RICOH Chatbot Service」を導入した事例です。当サービスは、定型的な内容の問い合わせの対応に適している辞書型であり、独自技術により類義語、同義語、表記ゆれを自動で理解し、精度の高いチャットボットです。また、医療業向けのQ&Aテンプレートもご用意しています。
問い合わせ対応業務を効率化し、お客様の満足度を向上させることにつながります。
医療事務の業務効率化でお悩みの場合には、ぜひご活用ください。
医療機関におけるチャットボット活用シーンはこちら
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