クラウド型とオンプレミス型のチャットボットの違いとは
最近、よく見かけるチャットボット。自社にも導入したいと考え、いくつかのチャットボットサービスを選定している方も多いのではないでしょうか。その選定の際に、「クラウド型」と「オンプレミス型」、どちらにすべきか、という点は重要な検討項目の一つとなります。
そこで今回は、クラウド型とオンプレミス型のチャットボットの違いやメリット・デメリットをご紹介します。
チャットボットには、サーバの設置場所やソフトウェアの導入場所の観点から「クラウド型」と「オンプレミス型」に分かれます。
・クラウド型
クラウド型とは、チャットボットサービスを提供するベンダーが用意したサーバにチャットボットのソフトウェアをインストールし、インターネットを経由してチャットボットを利用するタイプです。
クラウド型は、さらにセルフサービス型とサポート付き型に分かれます。セルフサービス型は、チャットボットの導入や設定をすべて自社で行うもので、サポート付き型は、ベンダーがあらかじめチャットボットの導入や設定を行ったものを利用するものです。
・オンプレミス型
オンプレミス型とは、自社にサーバを構築し、そこに運用するチャットボットシステムを導入するタイプです。
クラウド型とオンプレミス型は、それぞれメリットとデメリットがありますので、導入を決める際には確認し、自社にとって最適なものを選ぶのをおすすめします。
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クラウド型のチャットボットのメリットとデメリットを紹介します。
●メリット
・導入コストが抑えられる クラウド型は自社でサーバやIT担当者を用意する必要がないため、オンプレミス型と比べて大幅に導入コストが抑えられます。・導入が短期間でできる クラウド型はサーバの設置が不要なので、オンプレミス型と比べて導入が短期間で実施できます。チャットボットが早急に必要となったなど、迅速な導入が求められる場合には特にメリットが大きくなります。
・場所や使用デバイス問わず運用可能 クラウドベースであるため、運用・メンテナンスにおいて、インターネット環境さえあれば、場所や使用デバイスに関係なく使用できます。リモートワークが進む現代において最適といえます。
●デメリット
・月額料金が毎月発生する クラウド型は多くの場合、月額料金制になります。一般的に、使った分だけ支払う従量課金制か、一定の金額を支払う固定料金制に分かれます。オンプレミス型はサーバなどの利用料はかからないため、利用規模によっては運用コストが低くなる場合もあります。・カスタマイズ性が低い クラウド型は、自社構築のオンプレミス型と比べると、チャットボットのカスタマイズの自由度が低くなるといわれてきました。確かに既存のチャットボットサービスを利用するため、自社に完全に合ったものというのはオンプレミスよりも実現しにくいところがありますが、近年はカスタマイズ性が高いサービスも増えていることから、一概には言えなくなっています。カスタマイズ性を重視するなら、クラウド型でもカスタマイズしやすいものを選ぶと良いでしょう。
・高いセキュリティが求められる クラウド型は、ベンダーのサーバのクラウド上にチャットボットでユーザーからの問い合わせや質問内容のデータが保存されることになります。企業のセキュリティポリシーに合わないこともありますので、注意が必要です。
また、チャットボットサービス選定時には、高いセキュリティを施しているものを選ぶ必要があります。
続いて、オンプレミス型のチャットボットのメリットとデメリットを見ていきましょう。
●メリット
・クラウド型と比較すると運用コストを抑えられる傾向がある オンプレミス型は、運用コストが月額で発生するということは基本的にはありません。そのため、月額料金の発生するクラウド型と比較すると比較的コストを抑えることができると考えられます。一方で、オンプレミス型は、サーバのメンテナンスや管理などは自社で実施する必要がありますので、運用時には人的・作業コストはかかります。
・カスタマイズ性に優れている オンプレミス型は、自社の目的や環境に合わせてある程度カスタマイズできるようになっているのが一般的です。そのため、カスタマイズ性に優れているといえます。
・自社のセキュリティポリシーに準拠しやすい データを置く場所が自社サーバなのでセキュリティ上、安心感があります。クラウド型と比較して、自社のセキュリティポリシーに準拠しやすいところがあるでしょう。
●デメリット
・導入コストが高くなりがち オンプレミス型は、サーバにチャットボットを導入して設置するという作業を自社が自ら行います。そのため、サーバなどの機器代と共に技術者の人員確保などで導入コストが高くなりがちです。・導入に長期間かかることもある サーバ設置については、長期的な導入計画が求められます。早急にすぐにチャットボット利用提供開始したいというケースでは不向きといえます。
・自社でセキュリティ対策が必要 サーバが自社の領域にあるということはセキュリティ上安心であっても、そのセキュリティの管理は自ら実施しなければなりません。チャットボットサービスそのものは他社製であっても、設置環境のセキュリティは自社の責任となります。
クラウド型は、セルフサービス型とサポート付き型に分かれるとお伝えしました。それぞれどのようなチャットボットなのか、詳しくご紹介します。
●セルフサービス型チャットボット
セルフサービス型チャットボットは、導入から初期設定まですべてを自社で行うものです。つまり、基本的にはベンダーのサポートなしで実施する方法です。セルフサービス型チャットボットに向いているのは、すでに社内に専門知識や技術を持つ人材がおり、導入の設置から設定などが容易に行えるという場合や、費用をできるだけ押さえて導入したいという場合です。しかし、費用を抑えたいからといって安易にセルフサービス型を選んでしまうと、導入に時間を要したり、設置や設定につまずいたときに途方に暮れてしまったりする恐れもあります。ある程度、専門知識のある人材と運用体制が必要といえます。
もちろん、セルフサービス型であっても、不明な点は多少なりとも電話やメールでベンダーに問い合わせることができると思われます。どのくらいのサポートを受けられるかも確認しておきましょう。
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●サポート付き型チャットボット
サポート付き型チャットボットは、ベンダーがあらかじめチャットボットの導入や設定を行ったものをそのまま、簡単な作業にて導入利用開始できるものです。すでにクラウド上に設置されているので、そのまま使うことができます。またサポートが付いているため、設置や設定、各種お困りごとなど、幅広くサポートが受けられるのが特長です。多くのクラウド型チャットボットはこのサポート付き型チャットボットとなります。
社内にITリテラシーの高い人材が不足している、できるだけ早く運用開始したい企業に向いています。
●金融・医療向け:保守とセキュリティが鍵となる業務
金融機関や医療機関では、機密性の高い顧客情報や診療機能を持つデータを取り扱うため、システムの形態としてセキュリティが最優先されます。特にシステムを独自にカスタマイズする必要がある場合や、インターネットからの外部アクセスを厳しく制限したい状況では、オンプレミス形態が選ばれる可能性が高いです。これにより、データが自社ネットワーク内にとどまり、柔軟なセキュリティポリシーを適用できます。しかし、近年ではクラウドサービス側で業界標準のセキュリティ対応が強化され、データ保全性に優れたプライベートクラウドをオンプレミスのように利用する事例も増えています。チャットボットの場合、顧客向けの機能ではなく、社内ヘルプデスクや問い合わせ対応の業務に限定してオンプレミスを採用する状況も見られます。●製造業・サービス業:リソースの柔軟性とアクセス性が重要
製造業やサービス業など、需要の変動が大きい業務を持つ企業では、システムリソースを迅速に増減できるクラウド形態が選ばれる可能性が高くなります。特に、季節性のあるキャンペーンや新製品発表時の大量の問い合わせ対応では、急な負荷増大にも耐えられる柔軟性が求められます。クラウド型チャットボットは、必要なリソースをすぐに確保でき、初期投資を抑えられるため、コスト効率に優れています。また、複数の拠点やリモートワーク環境からのアクセスが必要な状況では、インターネット経由で容易に利用できるクラウドが最適です。保守は提供担当者に一任できるため、社内のIT担当者の負担も軽減されます。クラウドは、BtoC向けの外部公開機能を持つチャットボットと特に相性が良い形態です。
法改正やセキュリティ基準の変更は、企業システム運用において避けられない業務であり、その対応コストは形態によって大きく異なります。ここでは、法規制対応における保守担当者の役割と、セキュリティ管理における両形態の独自性を解説します。
●法改正時のシステム更新と保守の担当者
法改正(インボイス制度や電子帳簿保存法など)への対応は、システム形態によって担当者と工数が大きく異なります。クラウド型の場合、サービスの提供側が法改正に合わせてシステムの機能や仕様を更新するため、ユーザー側での作業は基本的に不要です。この保守対応は契約に含まれており、社内のIT担当者の負担は最小限に抑えられます。一方、オンプレミス型では、法改正対応に必要なシステム改修、パッチ対応、および動作検証のすべてを自社で実施する必要があります。これには専門知識を持つ担当者が必要であり、改修コストや工数がかかる可能性があります。そのため、常に最新の法規制対応が求められる業務システムや、BtoC向けの外部機能を持つシステムを運用している状況では、クラウドの柔軟性と自動対応が大きなメリットとなります。●セキュリティ基準とデータ管理に関する独自の対応
セキュリティやデータ管理に関する法律(個人情報保護法など)への対応も重要です。オンプレミスでは、企業が自社の独自のセキュリティポリシーに基づいて、データアクセス権限やネットワーク構成を柔軟に設定できます。完全に閉じたネットワーク内で運用するため、外部からの不正アクセスの可能性を低く保てます。クラウドの場合、基盤となるインフラのセキュリティ保守はサービス提供事業者が行いますが、アプリケーションレベルの設定やアクセス管理は利用者側の担当者対応となります。クラウドサービス側が提供する機能の範囲内で、独自の要件に合わせた対応が可能か事前に確認することが必要です。特に規制の厳しい業種では、データが保存されるリージョンや暗号化の形態を確認することが必須となります。
オンプレミスとクラウドのどちらか一方を選ぶのではなく、両者の利点を組み合わせて利用する形態が最新のITトレンドです。特に、レガシーシステムが残る企業や、規制の厳しい業務を持つ企業にとって、この組み合わせは大きな柔軟性を提供します。ここでは、複数の環境を統合する「ハイブリッドクラウド」と、複数のクラウドサービスを活用する「マルチクラウド」の概念を解説します。
●ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドとは、オンプレミス環境とパブリッククラウド(外部のクラウドサービス)を専用ネットワークなどで連携させ、統合的に利用するシステム形態です。この形態の最大のメリットは、柔軟な対応と独自の制御の両立です。機密性の高い業務データはオンプレミス側に置き、外部アクセスや突発的なリソース増強が必要な機能はパブリッククラウドを利用するなど、システム特性に応じて使い分けが可能です。例えば、チャットボットの学習データや顧客向けの独自機能はオンプレミスで管理し、トラフィックが多い対応リソースのみをクラウドで賄うといった状況で有効です。これにより、既存システムの保守担当者の知見も活かしつつ、クラウドのメリットも享受できる可能性が高まります。●マルチクラウド
マルチクラウドとは、複数の異なるクラウドサービス(例:AWS、Azure、GCPなど)を組み合わせて利用する形態です。特定の一社に依存しないため、障害発生時のリスクを分散できる可能性があります。また、各クラウドサービスが持つ独自の機能やリソースを最適なコストで選択できるため、コスト効率と柔軟性が向上します。チャットボットの文脈では、A社のクラウドでチャットボットのAI機能を、B社のクラウドでデータストレージ機能を利用するといった対応が考えられます。ただし、複数の環境の管理・保守には高い専門知識が求められ、IT担当者の業務負荷が増大する可能性があるため、導入状況に応じた慎重な検討が必要です。この形態の導入時には、統合的なネットワーク管理機能が鍵となります。
チャットボットサービスのクラウド型とオンプレミス型、それぞれの違いやメリット・デメリットをご紹介してきました。どちらが適しているかは、それぞれの企業によって異なりますので、ぜひ最適なものを選定してください。
現在はクラウド型が主流になっており、導入しやすいのが魅力です。リコーのチャットボットサービス「RICOH Chatbot Service」も「クラウド型」であり、サポート付き型に分類されます。
「RICOH Chatbot Service」は、生成AI型とQ&A型、両方に対応しており、社内データやQ&A集を管理画面にアップロードするだけで簡単に始められます。
設置個所も簡単なタグをWebサイトに貼り付けるだけで導入できます。
また、セキュリティ面についても強化しています。不正アクセス対策などが施されており、安心してご利用いただけます。
クラウド型をご希望の方は、カスタマイズについてもご相談いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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