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最終更新日:2025年9月12日

Webチャットとは?種類や活用シーン、最新のトレンドをご紹介

Webサイトの利便性をよくしたい、ユーザーに気軽に質問や問い合わせをしてもらいたいとった課題はありませんか? またWebサイトの離脱率を低減し、コンバージョン率を上げたいといった要望もあるでしょう。
そんなときに役立つ手段の一つが、Webチャットです。WebチャットはWebサイトに訪れたユーザーとチャットでの会話を通じたコミュニケーションを図ることのできるツールです。
今回は、Webチャットの概要から種類別の特徴、活用シーンなどを解説します。

1. Webチャットとは?

Webチャットとは、Webサイトに訪れたユーザー向けにWebサイト上に設置するチャットツールのことです。ユーザーがチャットツールへ質問ややりたいことなどを入力すると、リアルタイムで回答が得られる仕組みとなっています。

従来のお問い合わせ手段としては、お問い合わせフォームからの送信やメール、電話が主流でしたが、Webチャットはそれらと比べて、営業時間内も営業時間外も含めて24時間365日、対応が可能となるため、Web接客ツールとしても活用できます。また、多くの場合、Webチャットにユーザーが質問を入力した後は、すぐに何らかの回答を返すことができるので、メールや電話のようにお待たせすることもありません。

また、チャットでのお問い合わせ受付は、スマートフォンアプリのLINEなどのツールで行うこともできますが、そのようなアプリ上のチャットと比べて、Webチャットはブラウザ上で会話をするため、ユーザーがアプリのインストールや起動を行う必要がありません。またWebチャットであれば、ユーザーは匿名での問い合わせが可能なことが多いうえに、有人でのチャット対応も可能です。

WebチャットはWebサイトへ訪れるユーザーとの貴重な接点となり、多くのメリットが期待できます。

2. Webチャットの2つのタイプ

Webチャットツールは、システムの提供形態によって大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つのタイプに分けられます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

●クラウド型

クラウド型は、自社でサーバーを構築する必要がなく、契約後すぐに利用を開始できる手軽さが最大の魅力です。Webサイトへの導入も指定のタグを埋め込むだけで完了する場合が多く、専門的な知識がなくても導入しやすいでしょう。メリットは、初期費用を抑えられる点、そしてシステムの保守・運用を事業者側に任せられる点です。機能のアップデートやセキュリティ対策も自動で行われるため、常に最新の状態で利用できます。ビジネスの規模拡大に合わせて柔軟にプランを変更しやすい点も強みです。一方で、カスタマイズの自由度が低い傾向にあり、独自の機能を追加したい場合には制約がある可能性があります。

●オンプレミス型

オンプレミス型は、自社のサーバーを使って運用するタイプです。自社のネットワーク内でシステムが完結するため、非常に高いセキュリティレベルを維持できるのが特徴です。最大のメリットは、カスタマイズ性の高さにあります。既存の社内システムとの連携や、自社のビジネスフローに合わせた特殊な機能の追加などを自由に行えます。一度構築すれば月額費用が発生しないケースが多いのも利点です。ただし、サーバーの購入やシステム構築のための初期費用が高額になりやすく、導入後の保守・運用も自社で行う必要があり、専門知識を持つ人材の確保が不可欠になります。

3. Webチャットの種類別の特徴

Webチャットには、主に次の3つの種類があります。それぞれの概要と種類別の特徴をみていきましょう。

●無人チャット(チャットボット)

無人チャットは、いわゆる「チャットボット」と呼ばれるものです。チャットボットとは、「チャットができるロボット」の意味で、ユーザーはロボットを通じて会話を行うことができます。チャットボットには、事前にユーザーとの対話シナリオや質疑応答の組み合わせが設定されているので、ユーザーが打ち込んだ質問に応じて適した回答を返します。また、AIを用いたチャットボットの場合は、ユーザーとの会話履歴を学習したデータをもとに会話をすることができます。無人チャットは24時間365日、無人でお問い合わせ対応ができるので、近年の省力化のニーズに適しています。

●有人チャット

有人チャットとは、スタッフやオペレーターがチャットを通じてユーザーと会話をするチャットです。先述の無人チャットは、あくまでロボットであるため、必ずしもユーザーの欲しい回答を返せるとは限りません。ユーザーが本当に知りたいことに答えられないこともあります。そんなときにオペレーターの有人チャットへ引き継ぐということも可能です。また、人による対応で、きめ細やかな応対がしたいときにも有人チャットは役立ちます。一方で、有人チャットは人員の稼働が必要になることから、対応時間が限られるというデメリットはあります。

●Web接客ツール

Web接客ツールとは、Web上でユーザーに対して接客するためのツールの総称です。広い範囲でいえば、無人チャットも有人チャットもWeb接客ツールの一種です。
Web接客ツールの中には、ポップアップでユーザーに案内を表示することができる仕組みもあります。例えば、ECサイトでは、初めての訪問ユーザーに対して、ECサイトの使い方をご案内する内容をポップアップ表示します。また、繰り返し訪問しているものの、まだ購買に至っていないユーザーに対しては、クーポンやキャンペーン情報をポップアップ表示するなどして、購買しやすい情報を提供します。
このように、ユーザーの属性や購買履歴、滞在時間などの行動に合わせて、Web接客ツールを活用し、最適なタイミングで情報を提供することで、購買促進につなげます。

4. Webチャット導入のメリット・デメリット

Webチャットを導入することで、次のようなメリットとデメリットが生まれます。

メリット

●無人チャットは問い合わせ対応が24時間365日可能

無人チャットの場合は、問い合わせ対応が自動化できるため、ユーザーは24時間365日、好きなときに問い合わせが可能になります。また接客ツールとして、営業時間外の接客が可能です。顧客満足度向上やコンバージョン率に良い影響があるでしょう。

●無人チャットは問い合わせの自動化で省人化

無人チャットの場合、問い合わせ負荷軽減を実現することで、省人化や業務効率化につながります。問い合わせ対応スタッフが、コア業務へと専念できるメリットもあります。

●顧客接点の創出

ECサイトに設置するような接客ツールとしてのWebチャットは、顧客との接点となり、コミュニケーションを創出します。結果、顧客との関係性向上につながります。

デメリット

●無人チャットは入念なシナリオ設計やメンテナンスが必要

無人チャットの場合、初めて導入する際にはチャットボットの仕組みや、シナリオ・Q&Aの作り方の理解が必要です。また問い合わせに対して適切な回答を返せるように、シナリオなどの見直し、改善といった日々のメンテナンスが求められます。

●有人チャットはスピーディーな対応が求められる

有人チャットの場合、問い合わせがあった際に、その回答を返すまでに人間が行うため、「少々、お待ちください」などと伝え、ユーザーをお待たせすることがあります。あまりに長い時間かかってしまうと、クレームにつながります。

●有人チャットはオペレーター教育が必要

有人チャットの場合、電話オペレーター同様に教育の必要性があります。人件費だけでなく研修の実施費用も合わせて検討しなければなりません。

5. Webチャット導入のステップと注意点

Webチャットの導入には、計画的な準備が不可欠です。ここでは、導入を成功に導くための5つのステップとポイントを解説します。

ステップ1:導入目的と目標(KPI)の明確化

まず「カスタマーサポートの業務負荷を解決したい」など、自社のビジネス課題を明確化します。その上で、「メッセージへの一次応答時間○分以内」といった具体的な数値目標(KPI)を設定することが重要です。

ステップ2:運用体制の構築

カスタマーからの問い合わせに対し、どう応答するかを決定します。オペレーターが対応するのか、チャットボットで自動応答するのか、目的やリソースに合わせて最適な体制を構築します。

ステップ3:必要な機能の選定とツール選択

設定した目的を解決するために必要な機能を洗い出します。例えば、カスタマーの自己解決を促すFAQ検索機能やレポート機能など、要件を基に最適なツールを選定します。

ステップ4:シナリオ設計とFAQの準備

チャットボットでは、カスタマーからのメッセージにどう自動で応答し、解決に導くかというシナリオ設計が成功の鍵です。有人対応の場合も、迅速な応答ができるようFAQを整備します。

ステップ5:サイトへの設置と運用開始・改善

ツールをWebサイトに設置し運用を開始しますが、導入後の改善が最も重要なポイントです。データを分析し、シナリオやFAQを継続的に変更していくことで、カスタマー体験は向上します。

6. Webチャットの活用シーン

Webチャットは、さまざまなシーンで活用することができます。主な活用シーンと得られる効果をみていきましょう。

●ユーザーからの問い合わせ対応で満足度向上・業務負荷軽減

無人チャットや有人チャットは、ユーザーからの問い合わせを即時受け付ける用途で多く利用されています。特に無人チャットのチャットボットは時間問わず問い合わせ対応を受け付けることができるので、顧客満足度向上やコンバージョン率改善、問い合わせ業務負荷軽減などの効果が期待できます。

●Webサイト上のユーザーに話しかけて関係性向上

Webチャットは、Webサイトを訪問中のユーザーに対して、こちらから話しかけることもできます。例えば、チャットボットの存在を知らせるために「何かお困りごとはありませんか?」などの表示を出すことで、チャットで質問ができることを知らせる方法があります。また、Web接客ツールもポップアップ表示でユーザーに話しかける形態と言えます。
これにより、顧客とのコミュニケーションが生まれ、関係性向上につながります。

●お得な情報提示やチャット問い合わせへの案内で離脱防止

Webチャットは、Webサイトからの離脱防止に活用することもできます。例えば、ECサイトで使い方がわからないユーザーに対して使い方を案内したり、キャンペーンやクーポンなどの情報を提示したりすることで、多くのユーザーを留まらせることができるでしょう。

7. AI技術によるWebチャットの最新トレンド

AI技術の進化により、Webチャットは単なる自動応答ツールから、ビジネスを革新する戦略的ツールへと変貌を遂げています。本ブロックではAIを活用したWebチャットの最新トレンドを紹介します。

●生成AIの活用による対話品質の向上

最大の注目トレンドは、生成AIの活用です。従来のシナリオ型とは異なり、カスタマーからの曖昧なメッセージの意図を汲み取り、人間のように自然な対話で課題を解決に導きます。FAQにない質問にもサイト内の情報などを基に回答を自動生成する機能は、自己解決率を大きく向上させます。

●パーソナライズと予測による能動的サポート

AIがサイト上の顧客行動をリアルタイムで分析し、「お困りですか?」と最適なタイミングでメッセージを送る能動的なサポートが主流になりつつあります。この機能は、カスタマーが検索する手間を省き、顧客体験を向上させるだけでなく、コンバージョン率の向上にも直結します。

今後は、テキスト入力だけでなく音声で対話できる機能や、メッセージからカスタマーの感情を読み取り、応答を柔軟に変更する仕組みも一般化するでしょう。これらのAI機能は、より人間らしいコミュニケーションを実現します。

8. Webチャットはリコーのチャットボットがおすすめ

Webチャットは、Webサイトへの訪問ユーザーに対して、多様なメリットを生み出します。また、無人ツールであれば、少ない人手で運用することも可能です。無人チャットを検討している場合は、リコーの「RICOH Chatbot Service」がおすすめです。

RICOH Chatbot Serviceは、シナリオ型のチャットボットと、辞書型のチャットボットの特長を併せ持ったハイブリッド型なので、様々な問い合わせに対応が可能です。シナリオ型とは、あらかじめ想定されるシナリオを準備しておき、ユーザーに対していくつか選択肢を提示し、知りたいものを選択してもらう形式です。辞書型のチャットボットは、ユーザーがフリーワード入力した質問文を解析してあらかじめ用意された「辞書」から回答を導き表示する形式です。これらの仕組みから、よくある質問への問い合わせ対応や有益な情報表示に最適です。

今あるWebサイトに埋め込むだけですぐに開始できるうえに、使い慣れたExcelでQ&Aデータを管理できるという使いやすさも特長です。

Webチャットの活用をお考えの場合には、ぜひご検討ください。

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