チャットボットの導入効果測定のポイントや手順を紹介
チャットボットは、企業の問い合わせ対応負荷を軽減したり、24時間対応で顧客満足度を向上したりと、さまざまな導入効果が期待できます。しかし、そのような導入効果は、どのようにして測定するのか、疑問に思われている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、チャットボットの導入効果測定のポイントをご紹介します。
チャットボットを導入した後は、効果測定を行うことで、導入効果を測りたいものです。その効果測定を行う前には、ぜひ検討しておきたいことがあります。それは、チャットボットの目的を明確にしておくことです。
チャットボットをどのような目的で導入し、どのような効果を期待しているかを明確にしておかなければ、導入後の効果測定で見るべき指針がずれてしまい、見当違いの分析をしてしまう可能性もあります。
チャットボットの導入目的を考える際には、チャットボットはどのような効果が期待できるのかを知っておく必要があるでしょう。
チャットボットの導入で期待できる効果としては、次のことが挙げられます。
●問い合わせ対応負荷の軽減
ユーザーや従業員からの電話やメールの問い合わせが多く、対応しきれないという状況下では、チャットボットに対応させることで、問い合わせ対応業務の削減効果が期待できます。
●問い合わせ対応の人件費削減
これまで人が対応してきた電話やメールなどの業務を、チャットボットで自動化することで、業務効率化につながり、人件費などのコストを削減する効果が期待できます。
●24時間対応・即時回答による顧客満足度の向上
平日の昼間しか対応していない、電話がつながらない、メール回答が遅いといった顧客からの問い合わせに対する不満も、チャットボットにより24時間リアルタイムに回答が可能な状態にすることで、顧客満足度を向上する効果も期待できます。
●問い合わせ対応の品質の統一化
問い合わせ対応を人が行う場合に、担当者により品質にばらつきがある、特定のカテゴリの対応が属人化している、品質を保つための教育が難しいといった課題があります。その点、チャットボットならあらかじめ用意されたものから、決まった回答を返すことから、回答品質の統一化が図れます。
●コンバージョン率の改善
チャットボットは、商品購入や資料請求などのコンバージョンの改善にも役立ちます。例えばECサイトで商品購入意欲のあるユーザーが、支払い方法についてのちょっとした疑問をすぐにチャットボットで解決できれば、購入というステップに進みやすくなります。
●問い合わせ内容の分析・活用
チャットボットでやりとりした内容は、ログとして残すことができ、後日、分析・活用できます。フリーワード入力であれば、特に顧客のニーズをそのまま拾い上げることができるため、サービスや商品の改善につなげられます。
チャットボットの効果測定は、単に導入効果を数値化するだけでなく、ビジネスの成長と効率的な運用に不可欠な多くのメリットをもたらします。測定結果から実際のユーザー行動や潜在的な問題点を把握し、具体的な改善アクションに繋げることが実現できます。
●費用対効果の可視化
最も直接的なメリットは、チャットボットへの投資がどれだけの経済効果を生んでいるかという費用対効果を明確にすることです。削減された有人対応の時間と人件費、そしてチャットボット経由でWebサイトのコンバージョン率が向上したことによる売上増を比較することで、投資の適切性を評価できます。この数値は、社内で継続的な運用予算を確保するための根拠となります。
●ユーザーエクスペリエンスの向上
効果測定を通じて、ユーザーがチャットボットに何を求めているのか、どの情報でつまづいているのかを詳細に把握できます。たとえば、特定のカテゴリの質問で満足度が低い場合や、回答後に有人チャットへエスカレーションされることが多い場合、回答ロジックやナレッジの改善点が見えてきます。これにより、サイト訪問者の課題解決率が高まり、結果的に顧客満足度の向上とブランドロイヤルティの確立が実現します。さらに、FAQの不備や製品説明の問題点など、チャットボット外の課題発見にも役立つ機能として運用できます。
●ナレッジの継続的な改善
チャットボットがログとして収集する生のユーザーの質問やキーワードは、実際のニーズが凝縮された宝の山です。このデータを評価・分析することで、不足しているサイトコンテンツやFAQの問題点を発見し、適切なナレッジの追加・更新が実現できます。このサイクルを回すことで、チャットボットは常に進化し、より運用効率の高いツールへと成長します。
いざ効果測定を行う際には、具体的にどのようなポイントを見るべきなのでしょうか。その主なポイントをご紹介します。
●チャットボットの対応件数
チャットボットで問い合わせに対応できた件数はまず重要な指標です。これまで電話やメールで対応してきた件数と比べることで、さまざまなことが分かります。単純に、問い合わせ全体の件数の増減のほか、電話やメールでの対応がどのくらい減ったのか、という指標も合わせて確認することで、チャットボットの導入効果を知ることができます。
●チャットボットの利用率
チャットボットがどのくらい利用されているのかの割合も確認が必要です。アクセスしてきたユーザーのうち、どれくらいの人に起動され、利用され、最後の回答に辿りついたのかを知ることで、チャットボットの有効性や改善ポイントが見えてきます。
●問い合わせ対応の削減時間
電話やメールでの問い合わせ対応をチャットボットと併用している場合、または、チャットボットですべての問い合わせを代替した場合に、問い合わせ対応時間はどのくらい削減できたのかという指標でも導入効果を測ることができます。
●コンバージョン率・コンバージョン数
コンバージョン率アップを目的としている場合、全体のコンバージョン率の変化や、チャットボット経由でのコンバージョン数を知ることで、導入効果を測ることが可能です。
●チャットボットによる回答への満足度
問い合わせしたユーザーが、その回答にどのくらい満足しているのかを測ることも可能です。チャットボットで回答を示した後で、ユーザーに対して「この回答に満足しましたか?」などの簡単なアンケートを表示します。このアンケート調査結果を集計・分析することで、チャットボットによる回答への満足度を測ることができます。
チャットボットの効果測定を適切に進めるには、体系立てられた手順が必要です。曖昧な評価基準で始めるのではなく、計画的かつ継続的なプロセスとして設定することが成功の鍵となります。
STEP1 目的とKPIの明確な設定
まず、チャットボット導入の目的を再確認します。「有人対応の負荷軽減」「Webサイト上でのコンバージョン率向上」「運用コストの削減」など、目的を一つに絞り、それに対応する具体的で測定可能な指標(KPI)を設定します。例えば、負荷軽減が目的であれば「自己解決率80%」、コンバージョン率向上が目的であれば「チャット経由のCV数10%増」といった数値を設定します。この設定が、その後の評価の成否を分けます。
STEP2 データの収集と評価
設定した期間(週次、月次など)でデータを収集し、KPIを算出して導入前のベンチマークと比較します。実際の運用で得られた「非解決率」や「有人エスカレーション率」といった問題を示す数値を特に注視します。この段階で、当初の目標と乖離がある場合、その原因を深掘りして把握します。
STEP3 改善アクションの特定と実行
収集したデータと評価結果に基づき、具体的な改善アクションを特定します。運用ログから「回答がない問題」や「誤回答の問題」を発見した場合、ナレッジの追加や対話シナリオの変更を実現します。このPDCAサイクルを回し続けることで、チャットボットの機能とメリットを最大限活かすことができます。
従来のシナリオ型チャットボットでは、主に「正答率」や「解決率」が評価指標でしたが、最新の生成AI(LLM)を搭載したチャットボットでは、その高度な機能と潜在的なリスクに対応するため、新しい指標が不可欠となります。
●ハルシネーション検知率
生成AIチャットボットが直面する最大の問題の一つが「ハルシネーション」、つまり事実に基づかない誤った情報や嘘を生成してしまうことです。この問題を把握し、信頼性を評価するために「ハルシネーション検知率」を測定します。これは、Webサイトで利用する企業の信頼性に関わるため、特に重要な機能評価軸であり、適切なプロンプト設定やRAG(検索拡張生成)の機能検証を通じて、この問題の発生を最小限に抑えることが実現の目標となります。
●参照元忠実性
特に社内ナレッジや企業ドキュメントを活用するAIチャットボットでは、回答が設定されたサイト内の情報源にどれだけ忠実に依拠しているかを評価します。この「参照元忠実性評価」は、回答の適切性だけでなく、実際の情報源がどこにあるかを明示する機能(出典表示)があるかどうかも含めて評価されます。忠実性が低い場合は、運用しているRAGツールやナレッジの設定に問題がある可能性を示唆します。
●会話の自然さ、一貫性
有人のオペレーターに近い自然な会話体験を提供することが、AIチャットボットの大きなメリットの一つです。これを評価するのが「会話の自然さ・一貫性」です。ユーザーの前の発言の文脈を理解し、一貫性のある回答を返せているか、また、長時間の運用や複雑な質問に対しても破綻しない機能を実現できているかを測定します。この評価には、LLM自体を評価者として利用する「LLM-as-a-Judge」のような新しい評価ツールが使われることもあります。
チャットボットの効果測定後、いざ分析を行う際に、画面の操作がむずかしいと、分析を行うにも手間や時間がかかってしまいます。そこで、チャットボットを選択する際には、よりシンプルでわかりやすく使える管理画面を搭載しているかも、一つの重要なポイントとなります。
リコーのチャットボットは、管理画面がわかりやすく、誰でも楽に取り扱うことができる点が特徴です。さらに、問い合わせの多い質問や解決できなかった質問をデータ化して管理・分析できます。ダッシュボードでは、「チャットボット使用件数」や「質問カテゴリの推移」「カテゴリ別の満足度」「質問ランキング」などの分析結果がグラフで表示でき、見える化できるので、分析に役立ちます。
チャットボット導入後の、効果測定のポイントについてご紹介してきました。チャットボットを導入する際には、必ず目的を明確にすることが大切です。そしてその目的を達成できたかどうかを測るために数値を取得し、集計・分析を行います。チャットボットを改善し、成果を挙げていくためには、効果測定と分析は欠かせません。そして、そうした作業をより効率化するためには、わかりやすい管理画面を有するチャットボットを選ぶのがおすすめです。
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