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生成AIチャットボットとは?
従来型との違いや活用事例をご紹介

生成AIチャットボットは、従来型のチャットボットよりも柔軟で自然な会話を実現する技術です。どちらもチャット形式で便利に利用できるツールですが、どのような違いがあるのでしょうか。本コラムでは、生成AIと従来型のチャットボットの違いを明確にし、その仕組みや活用事例を詳しく解説します。

1. 生成AIとチャットボットの違いとは

チャットボットと生成AIは、どちらもチャット形式で便利に利用できるツールですが、大きな違いが複数あります。ここでは、まずそれぞれの概要について解説し、その違いを明確にしていきます。

●チャットボットとは

チャットボット(chatbot)とは、「チャット(chat)」と「ロボット(robot)」を組み合わせた造語で、テキストまたは音声を通じてユーザーとリアルタイムで会話するプログラムです。多くの企業のウェブサイトやECサイトで見かけることができ、顧客サービスや問い合わせ対応に広く利用されています。チャットボットには大きく分けて2種類のタイプがあります。1つは、あらかじめ用意されたシナリオやQ&Aデータに基づいて反応するルールベース型です。このタイプは、特定の質問に対して決まった回答を提供するため、正確性が高い反面、柔軟性に欠けることがあります。もう1つは、AIを活用した学習型チャットボットで、ユーザーとの対話を通じて学習を重ね、より自然な会話を目指します。

●生成AIとは

生成AIは、入力されたテキストに基づき、新しいテキストを生成する能力を持つAI技術です。代表的なものにOpenAIが開発したChatGPTがあります。ChatGPTは、インターネット上の膨大なデータを学習し、人間のように自然な会話を生成することが可能で、2022年11月にリリースされ、その自然な会話能力が評価され、注目を集めました。
現在、生成AIはアイデア出しや文章作成、翻訳、情報収集など、さまざまな業務に応用されています。

●生成AIとチャットボットの違い

1.回答を出す仕組みが異なるチャットボットは、あらかじめ設定されたシナリオやデータに基づいて回答を生成します。一方、生成AIは、入力された質問に応じて、その場で新しい回答を生成します。これにより、生成AIはより柔軟で多様な回答を提供することができます。

2.回答の内容・信頼性が異なるチャットボットの回答は、事前に登録された情報に基づくため、信頼性が高いとされています。生成AIの回答は、広範なデータに基づくため、内容が豊富である反面、必ずしも正確とは限らない場合があります。

3.用途・得意分野が異なるチャットボットは、問い合わせ対応や簡単な情報提供に適しています。一方、生成AIは、アイデア出しや複雑な文章生成、要約などのクリエイティブな作業に向いています。

4.文脈理解力が異なる生成AIは、高度な文脈理解力を持ち、人間のように自然な会話を実現できます。チャットボットは、基本的に文脈を理解する能力が限られており、あらかじめ設定された範囲内での対応となります。

近年では、生成AIを搭載したチャットボットも増えてきており、より自然なやり取りができることから顧客対応に応用されてきています。次章では、これらの異なる技術の仕組みについて詳しく解説します。

2. チャットボットの仕組み(従来型AI・生成AI・シナリオ)

続いて、それぞれチャットボットの仕組みを解説していきます。

●従来型のAIチャットボット

従来型のAIチャットボットは、機械学習や自然言語処理の技術を活用し、ユーザーからの自由入力に対して柔軟に応答します。このタイプのチャットボットは、事前に用意された回答を表示するため、回答の正確性が高く、誤った情報を提供するリスクが少ないのが特徴です。ユーザーが入力した内容をAIが認識し、最適な応答を選んで表示する流れで、特にカスタマーサポートのように正確な情報提供が求められる場面で活用されています。例えば、ホームページに設置される社外向けのチャットボットや、健康・安全に関わる情報提供など、正確性が重視されるケースに適しています。

●生成AIチャットボット

生成AIチャットボットは、ChatGPTのような生成AI技術を活用し、膨大なデータを学習したモデルがユーザーの入力に基づいて回答を生成します。このタイプのチャットボットは、事前に用意された回答に頼らず、ユーザーの質問に対して柔軟に対応できるため、想定外の質問にも迅速に答えることが可能です。生成AIは、ユーザーの質問をプロンプトとして認識し、学習済みのデータと照らし合わせて新たな回答を作成します。これにより、複雑な質問や表記揺れにも賢く対応でき、迅速な疑問解決を提供します。生成AIチャットボットは、迅速さや効率化が求められる場面に適しており、例えば社内FAQや顧客対応メールの下書き作成などに活用されています。

●シナリオチャットボット

シナリオチャットボットは、事前に設定されたシナリオに基づいて動作するチャットボットです。ユーザーはボタン選択や指定された文字列を入力することで、予め決められたフローに沿って進む形式です。このため、「シナリオ型チャットボット」とも呼ばれ、あらかじめ設計された動作のみを行います。シナリオチャットボットは、限られた範囲の応答に誘導したい場合や、特定の製品やサービスの診断、数種類の回答への誘導が必要な場合に適しています。セールスやマーケティングの分野で、顧客の問い合わせに対する自動応答としても活用されています。

チャットボットの仕組み(従来型AI・生成AI・シナリオ)
3. 生成AIチャットボットの活用事例

続いて、リコーの「RICOH Chatbot Service for 生成AI(現RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 一般ナレッジ)」を導入いただいた企業の活用事例をご紹介します。

事例1: 医療法人十全会 おおりん病院 さま

医療法人十全会 おおりん病院の取り組みを紹介します。この病院は、地域住民の医療と健康に貢献することを目的に、リコーの「RICOH Chatbot Service for 生成AI」を導入し、医療機関のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。

おおりん病院は、医療情報の機密性や専門性が高いため、外部の第三者と意見交換するのが難しいという課題を抱えていました。また、職員のITスキルの差が大きく、全員がIT活用に取り組むきっかけが必要でした。そこで生成AIを活用し、AIが提供する新たな視点を取り入れることで、これまで気づかなかった意見を得ることに取り組むと共に、自由に活用することで、職員のITリテラシー向上にも取り組んでいます。また、リコーの「RICOH Chatbot Service for 生成AI」では、入力情報がAIの学習対象とならない設定が可能なため、情報漏洩の心配をせずにAIを活用することができています。
例えば、医療以外の質問にも対応できるため、職員が気軽にAIに質問する機会が増え、ITに対する苦手意識が薄れつつあり、資料作成の効率化や会議での新たな意見の提示など、さまざまな場面での活用が進んでいます。

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事例2: コンフェックス株式会社 さま

コンフェックス株式会社は、菓子食品総合商社として、国内外1,000社以上のメーカーから商品を仕入れ、コンビニエンスストアやドラッグストアなどに卸販売を行っています。しかし、近年の販売チャネルの多様化に伴い、営業活動における負荷が増大していました。これを解決するために、コンフェックスは「RICOH Chatbot Service for 生成AI」を導入し、営業効率化を図っています。

具体的には、ChatGPTを活用したコメント案の自動生成により、営業工数を大幅に削減しました。従来、営業担当者は商品コメントを個別に作成する必要がありましたが、生成AIの導入により、誰でも容易にコメントを生成できるようになりました。さらに、Microsoftの「Azure OpenAI」環境を利用することで、対話データを学習対象外とし、セキュリティも確保しています。

この導入により、営業担当者は商品マスタの情報やパッケージのテキストを活用し、効率的にコメントを生成できるようになりました。これにより、営業活動の負担が軽減され、本来の業務に集中できる環境が整いました。今後は、売り場提案ツールとしての活用や、販促物の作成支援など、さらなる活用が期待されています。

※Microsoftは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※Azureは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

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※「RICOH Chatbot Service for 生成AI」は「RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 一般ナレッジ」に名称変更いたしました。

4. 生成AIチャットボットの選び方

生成AIチャットボットは、多くのサービスがありますが、自社に最適な生成AIチャットボットを選ぶこと重要です。以下にて選定する際のポイントを解説していきます。

●用途

まず考慮すべきは、チャットボットの用途です。具体的には、顧客問い合わせ対応、セールスやマーケティング、または社内FAQのどれに利用するのかを明確にすることが重要です。用途によって必要な機能や性能が異なるため、目的に応じた選択が求められます。

●設置先サイトやアプリ

チャットボットを設置するサイトやアプリの特性を確認しましょう。設置先のプラットフォームに適したボットを選ぶことで、スムーズな導入と運用が可能になります。

●シナリオの作りやすさ

チャットボットのシナリオ作成の容易さも選定基準の一つです。専門的な知識がなくてもシナリオを設定できるインターフェースを持つツールは、運用の負担を軽減します。直感的に操作できるかどうかを確認し、必要に応じてデモを依頼すると良いでしょう。

●使用中のシステムと連携可能か

現在使用中のシステムと連携可能かどうかも検討すべきです。CRMやERPなどの既存システムとシームレスに統合できるチャットボットを選ぶことで、業務プロセスを効率化し、データの一元管理が可能になります。

●使いやすいUI/UXであるのかを確認する

ユーザーが使いやすいUI/UXを提供できるチャットボットを選びましょう。操作性が悪いと、ユーザーの離脱につながる可能性があります。実際の操作画面を確認し、ユーザー視点での使いやすさを評価することが大切です。

●導入と定期的なメンテナンスが簡単にできるか

導入の容易さや、定期的なメンテナンスの手間も考慮すべきです。アップデートやトラブルシューティングが簡単に行えるか、サポートが充実しているかを確認しましょう。

●サポート体制は充実しているか

最後に、サポート体制の充実度を確認することが重要です。トラブル発生時に迅速に対応してくれるサポートがあるか、導入後のフォローアップ体制が整っているかをチェックし、安心して運用できる環境を整えましょう。

生成AIチャットボットの選び方
5. 生成AIチャットボットを導入する際の注意点

最後に、生成AIチャットボットを導入する際の注意点について解説します。

●データプライバシーとセキュリティ保護

データプライバシーとセキュリティ保護は、生成AIチャットボットを導入する上で最も重要な要素の一つです。個人情報の扱いや収集した情報は、関連する法令を遵守する必要があります。特に、個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)などの法律に対する理解と対応が求められます。これにより、顧客の信頼を損なうことなく、安心してサービスを提供できる環境を整えることができます。

●自社の要件に適した技術選定・カスタマイズ

上述と重なりますが、生成AIチャットボットには様々な種類があり、それぞれの特徴や機能が異なります。導入を検討する際には、上述のポイント以外にも、費用や無料トライアルの有無などにも注意することが求められます。

●チャットボットの存在を周知する

チャットボットの存在を社内外に周知することも重要です。社内では、社員が新しいツールを活用するためのトレーニングを行い、顧客には新しいサポート手段としての利用方法を案内することで、スムーズな導入と利用が実現します。

●専門人材の採用や専門リテラシーを高める

AI技術は日々進化しており、専門知識が不足していると効果的な活用が難しくなります。AIの導入には、データサイエンティストやAIエンジニアなどの専門家が必要です。これらの専門家がいない場合は、専門業者に活用をサポートしてもらうことも一つの方法です。これにより、生成AIチャットボットを最大限に活用し、業務効率化や顧客満足度の向上を図ることができます。

6. まとめ

本コラムでは、生成AIチャットボットについて、詳しく解説しました。
生成AIチャットボットは、従来のチャットボットと比較して、より自然な会話能力と柔軟性を持ち、多様な業務に応用可能です。その選び方や導入時の注意点を理解することで、企業は効果的にこの技術を活用し、顧客満足度の向上や業務効率化を実現できます。

生成AIチャットボットの導入を検討される際は、リコーの「RICOH Chatbot Service」がおすすめです。社内マニュアルや研修資料の作成、顧客・社内からの問い合わせ対応の自動化やFAQの生成と管理など、社内外向けのさまざまな業務に活用でき、業務の効率化に役立ちます。

RICOH Chatbot Service

問合せに自動で即答できるAI活用型チャットボットサービスです。

RICOH Chatbot Serviceには、辞書型/シナリオ型のハイブリッド式のQ&A型チャットボットと生成AI型チャットボットがございます。

Q&A型チャットボット

Excelで作ったQ&Aデータを読み込むだけですぐに始められます。
業種別テンプレートを利用すればさらに便利です。誰でも簡単な操作で運用できるのが特徴です。

生成AI型チャットボット

問い合わせに対して社内ナレッジや一般ナレッジを活用できます。
社内ナレッジの活用であれば、社内データをアップロードするだけで自社独自の生成AI環境を構築することができるサービスや、一般ナレッジの活用であれば、Q&A型チャットボットのオプションとして、ChatGPTが利用できるサービスがあります。
専用のアプリなどを別途インストールする必要がなく、チャットボットのユーザーインターフェースで自然な文章で応答可能です。
生成AIをセキュアな環境で活用することができ、問合せ回答の精度、スピード向上をサポートできます。「RICOH Chatbot Service 」についてご質問がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

※Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

RICOH Chatbot Service紹介資料はこちら RICOH Chatbot Serviceスペシャルサイト RICOH Chatbot Serviceの問い合わせフォーム

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