チャットボットによるナレッジ共有とは?
メリットやデメリット・導入のポイントについて解説

社内のナレッジを社内で共有することは、業務をスムーズに遂行できるのはもちろん、新規アイデア創出などの新たな事業展開の可能性も秘めています。ナレッジ共有は、近年デジタル化が進む中、さまざまな方法がありますが、効率的に実施できる方法の一つが、チャットボットを活用することです。
今回は、チャットボットを活用するナレッジ共有の概要から、メリットとデメリット、導入のポイントについて解説します。
まずはチャットボットによるナレッジ共有の概要を解説します。
●チャットボットとは?
チャットボットとは、「チャット(対話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、人間による文字や音声の質問や指示に対して、自動的に回答や対応を行うプログラムです。チャット自体は人と人とが文字による手軽なやりとりができる点で有用ですが、ロボットが担うところに特徴があります。
近年は、人間が扱う言語である「自然言語」を巧みに操るAI(人工知能)が活用されるようになり、格段にその精度が向上しました。
チャットボットは、社内のヘルプデスクなどの問い合わせ対応、お客様向けの問い合わせ対応、Web上で案内や情報提供を行う接客ツールなど多様な用途で利用されています。
●チャットボットによるナレッジ共有とは?
そのチャットボットの用途のうち、最近、注目されているのが社内における「ナレッジ共有」です。
ナレッジ共有とは、会社のような組織が社内にあるあらゆるナレッジを共有することを意味します。社内に存在するナレッジの種類には、主に次のものが挙げられます。
・商品・サービス・事業に関する特定分野の専門知識
・業務に必要なスキルやノウハウ
・課題解決策
・成功事例
・売上データ・顧客データ・人事データなどの各種データ
など
これらのナレッジを社員が何らかの形で即座に検索し、閲覧・利用できる状態に共有することを意味します。
ナレッジ共有は、業務効率化を進め、業務の属人化を防止するなど多様なメリットがあることから、重要な取り組みとして位置づけられています。
このナレッジ共有をチャットボットで実施するということは、すなわち、社員が社内ナレッジの中から、欲しい情報を探す際に、チャットボットにアクセスし、チャットボットに文字や音声を入力することで即座にチャットボットから返答が返ってきて、該当する情報を提供してくれる仕組みが構築された状態であることを意味します。
従来は社内の紙資料やExcelシートの共有、社内Wikiツールなどが利用されてきましたが、近年はそのメリットの多さから、チャットボットの活用が進んでいます。

チャットボットをナレッジ共有に活用することで、次のようなメリットを得られるでしょう。
●手軽さ・スピード・有用性で他の方法に勝る
ナレッジ共有は、先述の通り、従来は紙資料やExcelシートの共有、社内Wikiツールが利用されてきました。それらの方法と比較し、チャットボットは手軽さ・スピード・有用性の点で勝ります。「探す」作業が一掃され、「即座に必要な情報が得られやすい」というメリットがあります。便利なものは利用が促進されやすくもなるでしょう。
●業務効率化につながる
ナレッジ共有の本来の目的の一つは、業務効率化であるはずです。しかし社内のナレッジの在り処(ありか)がわからず、1~2時間かけてやっと見つかったといったケースがあれば、ナレッジ共有の取り組み自体は失敗しているといえるでしょう。チャットボットなら、知りたいナレッジに即座にたどり着ける可能性が高まるため、業務効率化という目的達成につながりやすくなります。
●研修などの工数・コスト削減につながる
いつでも社内ナレッジを引き出せる環境づくりは研修・教育にも有効ですが、チャットボットなら、より必要な情報を即座に引き出せるため、学びも進みやすくなるでしょう。
●AI搭載であればより役立つ
AIが搭載されているチャットボットは、より人間のリクエストに応えやすくなっています。ナレッジ共有のシーンにも、精度の高い検索や提案をしてくれるでしょう。
●時間問わず対応可能
時間外労働の最中に、知りたい情報があるけれど、すでに該当の担当者が帰宅してしまったため、業務がそこでストップしてしまった、ということはよくあることです。チャットボットなら時間を問わず質問でき、即座に回答が得られます。もちろん、チャットボットが回答できる範囲にとどまりますが、時間を問わずナレッジを引き出せるのは大きなメリットです。
一方、チャットボットによるナレッジ共有は、デメリットもあります。
●システム設計・AIトレーニングなどが必要
チャットボットを導入する際には、他のシステムと同様にシステム要件定義など自社の環境に合った導入プロセスを踏む必要があります。またAI搭載チャットボットを利用する場合、あらかじめ社内ナレッジを集めてきてデータ化し、AIに学習させておく必要があります。これらのプロセスが負担に感じることもあるでしょう。
●メンテナンスの必要性
チャットボットによってナレッジ共有を行う際には、定期的にメンテナンスを実施して、回答精度を上げる必要があることがあります。チャットボットによっては適切な回答を返さないこともあるため、随時調整していくことで、精度を高めていきます。
●ナレッジ作成・管理体制の確立の必要性
社内ナレッジが整備されていなかった場合、チャットボット導入に際して、改めてナレッジを収集・整理して作成する必要があります。また、ナレッジそのものの管理体制を整え、適切なナレッジ共有の取り組みを進める必要もあるでしょう。
●管理の人的コストがかかる
チャットボットは導入コストのみならず、チャットボットのシステム関連やナレッジ管理などさまざまな管理工数や人的コストがかかります。

チャットボットによるナレッジ共有を導入する際には、デメリットを解消する方向へ舵を切り、次のポイントを押さえて進めることをおすすめします。
●必要な機能の洗い出し
ナレッジ共有に利用するチャットボットツールは、十分に選定する必要があります。まずは自社に必要な機能は備わっているかを確認するために、「そもそも必要な機能は何か?」を社内で確認し洗い出しましょう。
●種類・操作性・精度の確認
チャットボットといっても生成AIや辞書型、シナリオ型などの会話の仕組みの種類や、AIの有無など、多様な種類があります。ツール選定時には、最適なものを選定しましょう。また操作性が良いか、精度はどの程度かなどの確認も必須です。
●セキュリティ体制の確認
ツール選定時には、チャットボットが返すナレッジが蓄積されている場所やネットワークのセキュリティの確認も必要です。また、AI搭載の場合、ユーザーが入力した内容がAI学習に使われてしまうタイプもあり、セキュリティ面で不安があります。社内利用に特化した学習されないタイプをおすすめします。
●サポート体制の確認
チャットボット導入・運用時に工数やメンテナンス面で不安がある場合、サポート体制が整っているところを選ぶと、スムーズに導入できるでしょう。
●費用対効果の検証
導入前と導入後に費用対効果を検証し、ナレッジ共有の効果を測定する仕組みを整えておくのも良いでしょう。ナレッジ共有のKPIとして使える主なものとして時間単価換算やオンボーディング評価が挙げられます。
時間単価換算は、ナレッジをチャットボットで参照した人数と削減できた業務時間の情報を取得し、削減できた時間を金額換算します。
オンボーディング評価は、例えば中途採用の社員がチャットボットを利用してどのくらいの期間で戦力として定着したかを測るものです。期間が短いほどナレッジ共有の効果が高いことが分かります。
チャットボットによるナレッジ共有は、手軽さ・スピード・有用性で他の方法に勝り、業務効率化につながるなど多くのメリットが期待できる一方、メンテナンスや導入コストなどの面でデメリットがあります。最適なツール選定のほか、サポートを受けるなどすれば、スムーズな導入・運用につながるでしょう。
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