チャットボットによる問い合わせ対応|メリット・導入方法・事例・最新トレンドを解説

日々のお問い合わせ対応は、顧客満足度やサービス品質を左右する重要な業務です。しかし、お問い合わせ対応には様々な課題があり、顧客満足度の低下や業務時間の増加など、課題は多くあります。そのような中、チャットボット活用で問い合わせを削減し、業務負荷分散を実現した事例をご紹介します。
お客様からの問い合わせ業務において、多くの企業では、大きく分けて主に次の2つの課題を抱えています。
1.お客様対応品質の低下
●返信漏れが発生しクレームにつながる 近年は電話だけでなくメールやお問い合わせフォーム、TwitterやLINEなど複数の媒体からの問い合わせを受ける企業が増えています。あらゆるチャネルから問い合わせができることは顧客にとって便利ですが、対応する側はその処理に困ることがあります。実際、返信漏れが発生してクレームにつながるといったことが起きています。●対応するスタッフにより回答の差がある 同じお問い合わせ内容でも、対応するスタッフによって、お客様への回答が異なるというケースがあります。オペレーターを配置せず、直接、各部署の従業員が対応するという企業もあり、立場によって回答が異なるといったことも起きてきます。統一性のない回答は、顧客に不信感を抱かせてしまったり、トラブルが生じたりしてしまうこともあります。
2.問い合わせ対応に多くの時間が割かれる
●同じような質問の対応に多くの時間を割かれる どの企業やサービスにも、お客様からよく寄せられる質問というものがあるものです。しかしFAQなど、よくある質問をまとめて公式サイトなどに掲載していない場合などは、逐一回答しなければなりません。しかしそうした単純な質問を有人対応で行っていると、時間とコストばかりがかかってしまいます。●本来の業務に集中できない お客様対応を専門に行う組織がない企業の場合、本業を持ちながらの兼務という形で、問い合わせに対応するケースも少なくありません。
そのような場合、問い合わせ対応に時間が割かれすぎてしまうと、問い合わせ対応者は本来の業務に集中できず、生産性が落ちるという課題が生じます。
これらの課題は、問い合わせ対応において企業がよく持つ課題です。解決方法はいくつかありますが、中でも近年、効率の良い解決策として注目されているのが、チャットボットの活用です。

問い合わせ業務におけるチャットボットは、単なる自動応答プログラムではなく、顧客対応の最前線に立つ「バーチャルアシスタント」です。Webサイトやアプリに訪れたユーザーからの質問に対し、24時間365日リアルタイムで対応する重要な役割を担います。このツールは、ユーザーが抱える疑問や問題を迅速に自己解決へと導くことで、顧客体験の向上に大きく貢献します。
チャットボットの種類と役割
問い合わせ対応で使われるチャットボットには、主に「シナリオ型」と「AI型」の2種類があります。シナリオ型チャットボットとは、あらかじめ設定されたシナリオ(対話の脚本)に沿って回答するタイプです。よくある質問(FAQ)のように、質問と回答のパターンが決まっている業務に適しています。シンプルな機能で導入しやすく、効率的な運用が可能です。AI型チャットボットとは、AI(人工知能)が対話の意図を汲み取り、より自然な会話形式で回答を生成するタイプです。膨大なデータから学習することで回答精度が継続的に向上し、シナリオ型では対応しきれない複雑な問い合わせにも柔軟に対応できます。この方法は、顧客満足度のさらなる向上を目指す上で重要なポイントとなります。
このように、目的に応じたツールを選ぶことで、問い合わせ業務の効率的な支援が実現します。
チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説

チャットボットの活用は、コスト削減や顧客満足度向上といった直接的なメリットに加え、オペレーターの業務品質向上や、企業全体のサービス改善にも繋がるという、副次的ながらも重要なメリットをもたらします。
オペレーターの業務品質向上と負担軽減
定型的な一次対応をチャットボットに任せることで、オペレーターはより専門知識が求められる複雑な問い合わせ対応に集中できます。これにより、個々のスキルアップが促進されるだけでなく、精神的な負担も軽減されます。結果として、オペレーターの離職率低下や、応対品質全体の向上といった効果が期待できます。チャットボットは、オペレーターの業務を奪うのではなく、強力に支援するパートナーとなり得るのです。これは、コールセンター全体の運用を改善するための有効な方法と言えるでしょう。問い合わせデータの蓄積とサービス改善への活用
ユーザーからチャットボットに寄せられる質問や対話の履歴は、顧客のニーズや課題が詰まった貴重なデータ資産です。このデータを分析することで、「どのような疑問が多いのか」「どの製品のどの機能に関心が集まっているのか」といったインサイトを得ることができます。この分析結果は、FAQコンテンツの精度を高めるだけでなく、製品開発やサービス改善のヒントにもつながります。ユーザーの声を直接的なデータとして活用できる点は、チャットボット導入における大きなポイントです。
実際にチャットボットを活用してお客様からの問い合わせを削減し、業務負荷の分散に成功した企業の事例をご紹介します。
●導入前の課題
スーパーマーケットやレストランを運営している、ある企業は、新型コロナウイルス感染症などの影響でお客様からの問い合わせ数が増加しました。また生活様式の変化により、これまでにない問い合わせ内容も寄せられるようになり、問い合わせ対応業務に負荷がかかっていました。
●導入後の効果
チャットボットを導入してお客様からの問い合わせ窓口としたところ、お客様が気軽に問い合わせできるようになったことに加えて、従業員による問い合わせ対応も効率よく行えるようになりました。
チャットボットへの問い合わせ件数は月に200~300件程度にも上り、その分、電話やメールへの問い合わせを吸収したことになります。
また、導入前より電話等の問い合わせ数が減少したことで、従業員の対応件数が減り、業務効率化につながりました。
これはチャットボット導入で、問い合わせ対応の負荷を軽減し、業務効率化につなげた典型的な事例といえます。チャットボットは問い合わせ対応の課題を解決する大きな手助けになることがわかります。
チャットボット導入事例詳細はこちらチャットボットの導入事例16選!業界別の事例もご紹介
チャットボット技術は日々進化しており、問い合わせ対応の現場では新たな活用法が次々と生まれています。特に、AI技術の進化と他ツールとの連携が、近年の重要なトレンドとなっています。
生成AI連携による回答精度の飛躍的向上
近年注目されているのが、ChatGPTに代表される生成AIを組み込んだチャットボットです。この新しい機能を持つツールは、事前に登録されたFAQだけでなく、社内マニュアルや膨大なドキュメントデータを参照し、その場で最適な回答を動的に生成できます。これにより、従来は対応が難しかった未知の質問にも答えられるようになり、回答の網羅性と精度が劇的に向上しました。この方法は、より人間らしい柔軟な対話体験を提供し、自己解決率をさらに高めるメリットがあります。有人チャットへのシームレスな連携とマルチチャネル化
チャットボットだけでは解決できない問題が発生した際に、いかにスムーズに有人対応へ引き継げるかが顧客体験を左右する重要なポイントです。最新のチャットボットは、会話の文脈やユーザー情報を維持したまま、シームレスに有人チャットへエスカレーションする機能を備えています。これにより、ユーザーは同じ説明を繰り返す手間が省け、ストレスのない支援を受けられます。さらに、電話対応を自動化するボイスボットや、CRMツールとの連携も進んでおり、チャネルを横断した一貫性のあるサポート体制の運用が今後の主流となっていくでしょう。いざ、チャットボットの導入をしようと思うと、「専門的な知識が必要なのではないか?」と感じたり、システム専任者がいないと導入のハードルが高いように感じたりするかもしれませんが、導入は想像よりも簡単にできます。
例えば、リコーのチャットボットサービス「RICOH Chatbot Service」なら、自動で作られるタグをWebサイトなどにコピー&ペーストするだけで設置完了できます。またQ&Aの反映の際にも、普段から使い慣れたExcelで作ったQ&Aデータを読み込むだけで、すぐにチャットボットの利用を開始できます。
業種別Q&Aテンプレートの用意もあるため、それを利用すれば導入の手間をさらに削減できます。
問い合わせ対応の負荷軽減を目指す場合には、システム専任者不在でも簡単に導入できるリコーのチャットボットがおすすめです。

チャットボットの活用で問い合わせを削減し、業務負荷分散を実現した事例をご紹介しました。問い合わせ対応の課題を解決するのに有用なチャットボットの導入を検討している場合には、ぜひお気軽にご相談ください。
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