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チャットボットのQ&Aとシナリオ作りのコツとは

チャットボットを導入する場合に、はじめにQ&Aとシナリオを設定する必要があります。しかしチャットボットのQ&Aとシナリオの作成は、チャットボット導入に際してハードルとなる要因の一つといわれています。どうすれば効率よくスピーディーにチャットボットのQ&Aとシナリオを作ることができるのでしょうか。
そこで今回は、チャットボットのQ&Aとシナリオ作りのコツをご紹介します。

1. チャットボット導入前に準備すべきこと

チャットボットを導入する前に準備すべきことをご紹介します。

1.チャットボットの種類の選択

チャットボットは大きく分けて「シナリオ型」「辞書型」「AI型」の3種類に分けられます。
それぞれの特長と費用感を比較して自社に合ったタイプのチャットボットを導入することが重要です。

●シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットは、よくある質問などを参考に、想定される質問例、回答を前もって作成しておきます。ユーザーがいくつか表示される質問の中から、知りたい情報に近い質問を選ぶと、その選択した質問に対して、もともと設定してある回答を表示するのがシナリオ型の仕組みです。

●辞書型チャットボット
辞書型チャットボットは、ユーザーが知りたい内容を自由に入力し、その質問内容をチャットボットが解析します。そして、辞書の中に前もって用意してある回答の中から、最も適した回答をユーザーに表示します。

●AI型チャットボット AI型チャットボットは、機械学習型とも呼ばれるように、ユーザーが入力した内容を、過去の情報をもとにAIが機械学習し、最適な回答を表示します。過去のデータを参照するため、データが増えていくことで機械学習も進み、回答の精度や、会話の精度も上がっていきます。

【関連コラム】チャットボットの種類 - シナリオ型/辞書型/AI型など特徴や違いを徹底解説!

2.チャットボットに登録するQ&Aの準備

チャットボットの成功には、ユーザーが求める情報を迅速かつ正確に提供することが不可欠です。そのためには、事前にユーザーが質問したい内容を想定し、Q&Aをしっかりと準備することが重要です。まず、過去のユーザーデータや問い合わせ履歴を分析し、よくある質問をリストアップします。これにより、ユーザーのニーズを把握し、適切な回答を準備することができます。

次に、そのリストを基にして、具体的な質問とそれに対する回答を作成します。回答は簡潔でわかりやすく、ユーザーが次のステップをすぐに理解できるように設計します。また、質問のバリエーションも考慮に入れ、同じ内容を異なる表現で尋ねられた場合でも対応できるようにします。これにより、チャットボットが多様な質問に柔軟に対応できるようになります。

さらに、定期的にQ&Aを見直し、ユーザーのフィードバックを基に改善を行うことも重要です。これにより、チャットボットの精度を向上させ、ユーザー満足度を高めることができます。

3.シナリオの作成

シナリオ作成は、チャットボットの対話体験を設計する上での最も重要なステップの一つです。まず、ユーザーがどのような目的でチャットボットを利用するかを考え、その目的に沿った対話フローを設計します。例えば、商品の購入をサポートするチャットボットであれば、商品情報の提供から購入手続きまでの流れをシナリオとして作成します。

シナリオは、ユーザーの質問に対する回答だけでなく、次に取るべきアクションを提示することも含まれます。例えば、ユーザーが製品について質問した場合、回答後に関連製品の紹介や購入リンクを提示することが考えられます。このように、ユーザーがスムーズに目的を達成できるよう、次のステップを自然に誘導することが重要です。

また、シナリオは一度作成して終わりではなく、ユーザーの反応やフィードバックを基に改善を続けることが求められます。定期的にシナリオを見直し、ユーザー体験を向上させるための調整を行いましょう。

4.チャットボットのキャラクター設定

チャットボットのキャラクター設定は、ユーザーとのコミュニケーションを円滑にし、ブランドの印象を強化するために重要です。キャラクター設定には、言葉遣いやトーン、性格などが含まれます。これらは、企業のブランドイメージやターゲットユーザーに合わせて設計することが求められます。

例えば、若者向けのファッションブランドであれば、カジュアルで親しみやすい言葉遣いを採用することが考えられます。一方で、金融機関のチャットボットであれば、信頼性やプロフェッショナルさを感じさせるフォーマルなトーンが適しているでしょう。

キャラクター設定は、ユーザーに親近感を持ってもらうだけでなく、ブランドの一貫性を保つためにも重要です。チャットボットがブランドの「顔」として機能することで、ユーザーに対する印象を一貫させ、ブランドロイヤルティを高めることができます。

また、キャラクター設定においては、ユーザーが不快感を感じないよう配慮することも重要です。過度にフレンドリーすぎたり、無機質すぎたりしないよう、バランスを保ちながら設定を行いましょう。

【関連コラム】チャットボットでキャラクターを設定するメリットは?向いている企業やポイントも解説

5.設置場所の検討

チャットボットは一般的にWebサイトへ設置するケースが多いですが、目的や用途に応じて、アプリや社内システムなどへの設置もございます。
また、チャットボットの存在をユーザーが気づくことができないといった問題が生じることもあり、画面のどこに表示させるのかを検討する必要があります。

【関連コラム】チャットボットの設置場所とは?デバイス別の活用方法を紹介

2. チャットボットの「Q&A」と「シナリオ」とは?

チャットボットの導入準備に必要となる「Q&A」と「シナリオ」について説明します。

●チャットボットのQ&A チャットボットのQ&Aとは、チャットボットを利用するユーザーが行う質問とそれに対する回答のことを指します。

●チャットボットのシナリオ チャットボットのシナリオとは、ユーザーとチャットボットで行われる会話の流れのことを指します。事前に設計されたシナリオに沿って会話を進め、目的の回答まで導くことをゴールとしています。

●チャットボットのQ&Aとシナリオの必要性 例えば、ユーザーが、ネットショップで「支払いにクレジットカードは使えるかどうかを知りたい」と思ったとします。このとき、ユーザーがネットショップに用意されているチャットボットで「クレジットカードは使えますか?」と打ち込んだとすれば、チャットボットは「使えます」と回答を返し、さらに「●●や●●という種類のクレジットカードが使えます。」など、回答を返す必要があります。

チャットボットの活用において、このような質疑応答のQ&Aと、提供する会話の流れ、つまりシナリオを、はじめに考えられる限り、あらゆるパターンを準備しておくことが必要です。

もし、チャットボットのQ&Aやシナリオが整備されていないと、ユーザーからの質問に対して的確な返答ができず、使えないチャットボットになってしまいます。結果的に、ユーザーは別に用意されているFAQで該当のQ&Aを一から探すか、電話やメールでの問い合わせをするしかなくなってしまいます。

ユーザーの期待を裏切ってしまうだけでなく、手間とストレスを感じさせてしまうため、相手が顧客であれば顧客満足度を下げてしまいますし、相手が自社の従業員であればチャットボットは問い合わせツールとして利用されなくなってしまうでしょう。

そのためチャットボットをスタートさせるためには、Q&Aやシナリオの整備は欠かせないものといえます。

3. チャットボットのQ&A作成のポイント

チャットボットのQ&Aを効率的に作成していくためには、次のポイントを押さえることが大切です。

●ユーザー目線で課題を洗い出す 社外、社内の問い合わせツールとして利用するチャットボットの場合、まず利用するユーザーが持つ課題を洗い出します。顧客であれば、顧客目線になり、どのような疑問を持つのか、また、その疑問に対してどのような質問をチャットボットに入力し、どのような返答を期待しているのかを徹底的に考え抜きます。このとき、役立つのが、既存のよくある質問・FAQです。すでにそうしたデータベースがすでにある場合には、チャットボットのQ&Aを作る参考になります。

●ユーザーが求める回答は複数用意する 回答については、ユーザーが求めるものを、複数考えられればそのすべてを用意しておきます。このとき、注意したいのが、FAQとは異なるという点です。チャットボットは会話形式なので、会話を意識した回答文を用意することで、ユーザーの期待に沿うことが可能です。FAQのように長文のまま載せてしまうと、ユーザーは読みにくいですし、離脱率が高くなるリスクもあります。もし回答に長い説明が必要な場合には、FAQの該当ページのリンクをつけるなどして誘導するのも一つの方法です。

●シナリオを構成する チャットボットのQ&Aを作成する際には、シナリオも同時に考える必要があります。もしユーザーが「クレジットカード」と打ち込んだら、いくつか質問自体の候補が考えられます。「クレジットカードは使えるのか」「使えるクレジットカードの種類が知りたい」「クレジットカードの登録方法が知りたい」などです。それら一つ一つに対して、回答の選択肢を用意する必要があります。そして、もしユーザーが「クレジットカードの登録方法が知りたい」を選んだとすれば、「すでに会員登録がお済みの場合はこちら」「会員登録がまだの場合、新規会員登録はこちら」などの選択肢が考えられます。もし、チャットボットでは対応できない質問に至った場合には、オペレーターに引き継ぐという流れにすることもできます。

●顧客対応を行っている担当者によくあるQ&Aをヒアリングする 社外向けの問い合わせツールとしてチャットボットを利用する場合、日頃から顧客からの問い合わせを電話やメールなどで受けている担当者に直接話を聞き、よく寄せられる「Question」と、定型的に返している「Answer」を共有してもらうのがおすすめです。改めて調査しなくても顧客のニーズをつかめますし、よくある質問とその答えも取得できます。

このようなポイントを押さえてチャットボットのQ&Aを作成したら、ユーザーになりきってさまざまなシナリオを想定して実際にチャットボットに入力しながら行い、おかしいところ、不足しているところは改善していきましょう。

4. チャットボットのシナリオ作成のポイント

チャットボットのシナリオを作成していくためには以下のポイントを抑えることが重要となります。

●作成前にターゲットを明確にする まずはチャットボットを利用してもらうターゲットを明確にすることが重要です。ホームページやアプリを訪れたユーザーがどのような目的を持って来訪したのかを想像しながらターゲットを明確にしていきます。

●自然な会話になるように意識する ユーザーの使いやすさを考え、事前に用意する質問と回答文は端的でわかりやすい表現で作成すると良いでしょう。

●回答の選択肢を増やしすぎない 一つの質問に対する答えの選択肢が多すぎると、答えを探すのが手間に感じてしまい、利用をやめてしまう可能性があります。多くても5~7個の範囲で収めると良いでしょう。

●シナリオ作成後の見直し・アップデートを重ねる チャットボットはシナリオを作成し、導入開始して終わりではありません。ユーザーの利用状況や回答状況を見ながら、定常的にシナリオをアップデートすることで、企業やサイトの信用性を保つことが可能となります。

チャットボットサービスを提供している会社の中には、シナリオテンプレートを用意されていることが多く、シナリオテンプレートを活用することで、作成時間を大幅に削減することができます。

5. 手軽にチャットボットを導入するならQ&Aテンプレートが
利用可能なチャットボットを

チャットボットのQ&Aを作るコツをご紹介してきました。しかし、一からチャットボットのQ&Aを作るとなると、時間と手間がかかるものです。そこでQ&Aテンプレートを活用する方法もあります。

Q&Aテンプレートとは、あらかじめ業種や部署別でよくあるQ&Aの例文やサンプルをまとめたテンプレートのことです。Q&Aテンプレートを活用することで、シナリオの作成の工数が不要となります。

例えば、RICOH Chatbot Serviceでは、あらかじめ業種別のQ&Aテンプレートをご用意しています。そのQ&Aテンプレートを利用すれば、スピーディーにチャットボットの運用が開始できます。例文やサンプルがまとめてあるテンプレートを読み込んだら、自社に合った内容に追加・修正・削除を行うことで、登録が完了します。
チャットボットの導入をスピーディーかつ手軽に導入したい場合には特におすすめです。

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