CSAT(顧客満足度)とは?顧客満足度を測る3つの指標やNPSとの違いについても解説

CSATとは、商品やサービスに対する顧客満足度のことです。この記事では、顧客満足度を向上させたいと考えている企業の担当者に向けて、CSATの基礎知識を解説します。CSATを測定する効果や似ている指標との違いについても解説します。マーケティング施策を強化するために、ぜひ役立ててください。
CSATとは、自社の商品やサービスに対して顧客がどれくらい満足しているかを示す指標です。CSATは、企業としてのブランドやロイヤルティの向上にも直結します。ユーザーや顧客に対して評価を依頼すれば、CSATはスコアとして数値化が可能です。
顧客満足度を決定する要因は、機能的価値と感情的価値の2つに大別できます。機能的価値は、商品やサービスの機能性に対する評価です。それに対して感情的価値は、商品やサービスを利用するうえでの感覚に対する評価を表しています。CSATは、主に感情的価値を測る指標です。
CSATは、顧客満足度を測定するための3つ指標のうちのひとつに該当します。
CSATのメリットは、顧客満足度を定量的に把握し、ビジネスの改善点を見つけることです。
CSATの測定には、以下のようなメリットがあります。
シンプルで分かりやすい
CSATは、カスタマーサポートや製品・サービスの利用後など、特定のやり取りや体験に対する満足度を「非常に不満」から「非常に満足」までの5段階で評価してもらうものです。質問が単純明快なため、顧客も回答しやすく、企業側も結果を理解しやすいです。
迅速なフィードバック
顧客が体験を終えた直後にアンケートを送信することで、新鮮で率直なフィードバックを素早く収集できます。これにより、問題点をリアルタイムに特定し、迅速に対応することができます。
具体的な改善点の特定
CSATスコアが低い場合、その原因となった特定のサービスややり取りを掘り下げて分析できます。例えば、サポート対応の質、製品の使い勝手、ウェブサイトのナビゲーションなど、具体的な改善が必要な領域を特定するのに役立ちます。
従業員のモチベーション向上
CSATスコアは、カスタマーサポートチームや特定の部署のパフォーマンス指標として活用できます。スコアの改善は、チームの努力が顧客満足度につながっていることを示し、従業員のモチベーション向上に貢献します。
他社との比較
CSATは業界標準の指標として広く使われているため、自社のスコアを競合他社や業界平均と比較することが可能です。これにより、自社の立ち位置を客観的に把握し、競争力を評価することができます。
これらのメリットを活かすことで、企業は顧客ロイヤルティを高め、リピート率の向上や顧客からのポジティブな口コミを促進することができます。
一方でCSATにはメリットだけではなく、以下のようなデメリットも存在します。次にCSATのデメリットについて紹介します。

バイアスがかかりやすい
CSATは、特定のサービスや製品との「直近の体験」に対する満足度を測るものです。そのため、その日の気分や、他の要因(例:サポート担当者の話し方)に左右されやすく、長期的な顧客ロイヤルティを正確に反映しているとは限りません。
回答率が低い可能性がある
アンケートの質問がシンプルである反面、顧客が「わざわざ回答するほどではない」と感じてしまうことも少なくありません。特に、満足度の高い顧客や、不満が極めて低い顧客は回答をスキップする傾向があるため、不満を持つ一部の顧客の声だけが目立ってしまう可能性があります。
なぜ満足したか・不満だったかの理由が分かりにくい
CSATはスコアで満足度を把握できますが、「なぜそのスコアになったか」という具体的な理由を把握しにくいという欠点があります。このため、スコアの背景にある顧客の感情や、真の問題点を特定するためには、コメント欄の自由記述や、別の質問を追加する必要があります。

顧客満足度を測定するための指標はCSAT(顧客満足度)、GCR(目標達成率)、CES(顧客努力指標)の3つです。それぞれの指標について解説します。
CSAT(顧客満足度)
CSATは顧客満足度を表しており、「Customer Satisfaction」の頭文字をとった表現です。自社の商品やサービスを利用した顧客がどの程度満足したかを表す指標であり、感情面にフォーカスしている点が特徴です。一般的に、「非常に満足」「満足」「普通」「不満」「非常に不満」の5段階にわけて計測する場合が多いです。実際に自社の顧客に対してアンケートなどを実施し、どのように感じているか調査して得られるデータです。この結果を数値化したものがCSATスコアとなります。
GCR(目標達成率)
GCRは「Goal Completion Rate」の略であり、日本語で表すと目標達成率のことです。ユーザーや顧客が自社の商品やサービスを利用し、自分自身の目的を達成できたかどうかを測ります。GCRはコンバージョン率をチェックしたり、アンケートを実施したりすると計測可能です。たとえば、ユーザーや顧客が自社のWebサイト上で何らかの操作を終えたタイミングで質問を表示すれば、目的を達成できたかどうか確認できます。ユーザーや顧客が目的を達成できていない場合は、何を求めているかについてまで確認できると改善につなげられます。
CES(顧客努力指標)
CESは「Customer Effort Score」を略した表現であり、ユーザーや顧客が目的を達成するために費やした努力の度合いを表します。CESをチェックすれば、自社の商品やサービスがユーザーや顧客にとってどの程度使いやすいのか確認できます。5点満点のスケールを提示したり、質問に対して7段階で評価してもらったりしてCESを計測するケースが多いです。GCRを計測するだけでは、商品やサービスに対する不満を把握しきれません。CESを計測すると、ユーザーや顧客の目線から自社の商品やサービスの弱点を洗い出せます。
顧客満足度を確認する方法としては、ABテストも効果的です。ABテストとは、2つのパターンを用意し、顧客にとっての満足度はどちらが高くなるか比較する方法です。状況によっては、さらに複数のパターンを用意して実施するケースもあります。
ABテストを行えば複数のパターンの対比により、評価項目や改善点などを確認することが可能です。繰り返し実施すると、自社の取り組みによって顧客満足度が上昇しているかどうかもチェックできます。

CSATを測定した場合、どのような効果を得られるのでしょうか。ここでは、具体的な効果について解説します。
顧客やユーザーの獲得につながる
CSATを計測すれば顧客満足度を数値として把握できるため、ユーザーや顧客を獲得するための指針になります。満足度が高いユーザーや顧客が増えると、口コミによってさらに多くの人に自社の商品やサービスの魅力を届けやすくなるでしょう。その結果、新規のユーザーや顧客が増えるだけでなく、ブランディングの強化にもつながります。顧客ロイヤルティやLTVの向上につながる
機能的価値と感情的価値の両方の評価を把握できれば、自社の商品やサービスの課題を明らかにできます。ユーザーや顧客にとってよりよいものになるよう、改善することが可能です。結果的に顧客ロイヤルティやLTVの向上にもつながるため、一度接点をもったユーザーや顧客が離れるリスクを抑えられます。長期的な目線で収益アップを狙いやすくなります。
集客コスト削減や収益の向上・安定につなげられる
満足度が高い顧客が増えると、口コミによって多くの人に自社の商品やサービスが広まりやすくなります。通常、新しいユーザーや顧客を獲得するには、決して安くはない集客コストがかかります。しかし、評価の高い口コミが多くなれば、集客コストをかけずに効果的な宣伝が可能です。リピーターや新規顧客が増加した結果、安定的に収益を向上させられます。CSATとNPSの違いは、CSATが「今の満足度」を測るのに対し、NPSは「将来の推奨度」を測る点にあります。
ここでは、CSATとNPSの意味の違いや使い分けについて解説します。
NPSとは何か
NPSとは「Net Promoter Score」の略であり、顧客ロイヤルティを測るための指標です。顧客ロイヤルティとは、自社そのものや商品やサービスに対してユーザーや顧客が感じている愛着を意味します。NPSは「商品やサービスを人にどの程度勧めたいか」という質問によって測定できます。NPSのスコアが高ければ、ユーザーや顧客は何度も自社の商品やサービスを利用してくれる可能性が高いです。反対に、スコアが低いと、ユーザーや顧客が自社から離れやすくなります。
CSATとNPSの違いと使い分け
CSATは、ユーザーや顧客がどの程度満足しているか測るための指標です。一方、NPSは商品やサービスの推奨度を表しており、顧客ロイヤルティを把握するための指標となっています。CSATとNPSは、ユーザーや顧客と良好な関係を築き、着実に収益をアップさせていくために重要な指標です。うまく使い分けるためには、把握したい内容や改善したい部分を明らかにする必要があります。
たとえば、自社のサービスを顧客がどの程度評価しているか知りたい場合は、CSATを計測しましょう。継続的に自社の商品やサービスを利用してもらいたいなら、NPSを計測して施策を練る必要があります。
CSATとNPSの比較まとめ
CSATとNPSにはさまざまな違いがあり、測定できる内容や特徴にも大きな違いがあります。CSATとNPSの違いをまとめると、以下のとおりです。CSAT | NPS | |
---|---|---|
測定指標 | 満足度 | 推奨度 |
調査方法 | 複数 | 1問~ |
設問数 | 5段階評価 | 11段評価 |
スコア算出 | 独自の方法で算出する | 「推奨者の割合-批判者の割合」で算出する |
競合比較 | 不可 | 可 |
業績との関連性 | 低い | 高い |
CSATはさまざまな方法で測定できます。すでに解説したとおり5段階評価で測定するケースも多いですが、ほかの方法でもCSATの測定が可能です。たとえば、電話やメールなどを使用し、ユーザーや顧客から直接評価を聞き取るのもひとつの方法です。
長期的な満足度の測定
ユーザーや顧客と良好な関係を保つには、継続的にCSATを測定する必要があります。定期的に満足度を測定し、顧客やユーザーの意識を把握することが大切です。基本的に、ユーザーや顧客を獲得してからの期間が長くなるほど、満足度も高くなる傾向があります。ただし、ユーザーや顧客のなかには企業とあまり接点をもっていない潜在層もいます。潜在層の満足度は把握しにくいため、注意が必要です。
短期的な満足度の測定
業種によっては、直近の顧客満足度を測定しながら戦略を考えていくケースもあります。たとえば、小売業は季節によって顧客満足度が変化しやすいため、短期的な顧客満足度の測定が行われています。直近の満足度を測定するには、ユーザーや顧客から問いあわせが入った直後にアンケートを送信すると効果的です。問いあわせ対応に対する満足度を把握でき、ユーザーや顧客の期待に添えているかどうか確認できます。

CSATを効率的に高めるためには、ツールやシステムを導入して有効活用するのもおすすめです。たとえば、CRMを導入すれば、ユーザーや顧客のニーズを把握しやすくなります。CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり、ユーザーや顧客に関する情報をまとめて管理するためのツールです。
また、SNSで自社のアカウントを取得すると、ユーザーや顧客とのコミュニケーションに役立ちます。ユーザーや顧客にとって役立つ情報を発信できれば、満足度を高めやすくなるでしょう。さらに、問いあわせのためのチャットボットを導入し、ユーザーや顧客がスムーズに疑問を解消できるようにする方法もあります。
近年、WebサイトやECサイトの普及によりWeb上で商品を購入したり、サービスを比較、検討することも当たり前となってきました。そうした中、Web上での顧客満足度も重要視されるようになり、顧客満足度を上げる手段としてチャットボットが注目を集めています。
チャットボットを導入することで、顧客は知りたい情報をすぐにチャットボットに投げかけ、回答を得ることができるので、時間や場所の制約にとらわれず利用ができ、満足度が向上します。
また、ECサイトに導入させることで、決済がうまくいかない場合の疑問解決や、在庫状況の提供などを行うことができ、運営側としても、離脱率・かご落ちの低減などのメリットが期待できます。
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CSATとは何ですか?
CSATは、「顧客満足度スコア」のことで、製品やサービス、特定の体験に対する顧客の満足度を測る指標です。
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CSATスコアの理想的な目安はありますか?
CSATスコアの理想は業界やサービス内容によって異なりますが、一般的には75%以上が目標とされています。
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どのようなときにCSATを測定すべきですか?
CSATは、カスタマーサポートへの問い合わせ対応後、製品購入後、サービスの利用直後など、特定の顧客体験が発生した直後に測定するのが最も効果的です。
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CSATとNPSの違いは何ですか?
CSATが特定の体験に対する「今の満足度」を測るのに対し、NPSは企業全体に対する「将来の推奨度」を測る点で異なります。
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CSATのアンケートはどのように作成すればよいですか?
質問は簡潔にし、「今回の対応に満足しましたか?」のように具体的かつ明確な質問にします。回答形式は5段階評価が一般的です。
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なぜCSATとNPSの両方を測定する必要があるのですか?
CSATで短期的な改善点を把握し、NPSで長期的なロイヤルティと事業成長の可能性を把握するなど、それぞれの指標が補完関係にあるためです。
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CSATスコアが低い場合、どうすればよいですか?
スコアが低い場合は、コメント欄の自由記述を分析したり、追加でヒアリングを実施したりして、具体的な不満点を特定し、サービスや対応の改善策を検討します。
CSATは顧客満足度を表しており、企業の収益をアップさせるためにチェックすべき重要な指標です。CSATを測定するとさまざまな効果を期待できるため、自社の状況にあわせて有効に活用しましょう。
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