製造業におけるチャットボットの活用方法を解説~商品開発の事例もご紹介
チャットボットは、製造業の商品開発に役立てることができるのをご存知ですか?
チャットボットが商品開発に役立つというのはなかなか想像がつかないと思いますが、すでに活用している製造業者も多く存在します。今回は、チャットボットを製造業の商品開発に役立てる方法や活用例をご紹介します。
近年、多くの製造業の現場でチャットボットの導入が進んでいます。その背景には、人手不足の深刻化や、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の必要性があります。
チャットボットとは、テキストや音声を用いた会話形式で、システムが人のように対話に応じるプログラムのことです。特に製造業においては、これまで人が対応していた定型的な業務や問い合わせを自動化し、業務効率化を図るツールとして注目されています。
多くの企業がまず導入目的として挙げるのが、社内外からの問い合わせ対応です。例えば、社内の従業員からは「この作業の手順書はどこにあるか」「経費精算の方法は?」といった質問が、取引先からは「あの製品の納期は?」といった質問が日々寄せられます。
これらに24時間365日、即座に自動回答できる体制を整えることで、問い合わせ担当者の負担を大幅に削減します。もちろん、チャットボットの役割はこれだけにとどまりませんが、まずはこうした「定型業務の効率化」が、多くの製造業にとってチャットボット導入の第一歩となっています。この基盤を整えることが、より高度な活用へ進むために必要不可欠なステップと言えるでしょう。
チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説
Webサイトやアプリに設置して、自動的にお客様と会話をするチャットボット。その活用用途は、主にコールセンターなどの問い合わせ対応の一部もしくはすべてを受けることで、問い合わせ対応業務の負荷を削減するものというイメージが強いのではないでしょうか。もちろん、その効果は実際に多くの事例で確認できており、多くの企業のチャットボット導入の目的にもなっています。
しかし、それ以外にも、チャットボットは利用用途や効果も多く期待できます。例えば次のものがあります。
●24時間365日対応により、販売機会損失の防止につながる
●会話ログを解析することによりユーザーの本音やニーズを知ることができる
●ユーザーに適した情報提供で、サービス利用促進・販売促進につながる
このように、チャットボットはマーケティングや販売促進にも活用することができます。また顧客がチャットボットを利用した会話ログデータを蓄積していき、活用することは大きな可能性があります。
チャットボットの活用シーンは多岐にわたりますが、製造業特有の課題解決に貢献する代表的な活用法が存在します。
●ヘルプデスク業務の効率化
最も一般的かつ即効性のある活用シーンです。・社内ヘルプデスク
情報システム部門や総務部門への「PCの調子が悪い」「あの申請書のフォーマットが欲しい」といった定型的な質問に自動対応します。
・社外(顧客・取引先)対応
製品の仕様確認、納期回答、在庫照会など、営業担当やカスタマーサポートが受けていた問い合わせの一次対応を自動化します。これにより、担当者はより複雑な対応に時間を割けるようになります。
●ナレッジ共有と技術伝承
製造業における深刻な課題の一つが、ベテラン従業員の持つノウハウや技術の属人化です。チャットボットは、これらの暗黙知をデジタル化し、共有するための強力なツールとなります。 過去のトラブル事例、作業手順書、製品の仕様書といった膨大なデータをチャットボットに学習させます。現場の作業員は、不明点やトラブルが発生した際、タブレットやスマートフォンから「このアラームの解除方法は?」「この部品の標準作業時間は?」と質問するだけで、必要な情報に即座にアクセスできます。これにより、新人教育の効率向上や、作業品質の均一化が期待できます。
製造業でのチャットボット活用シーン
製造業においては、顧客や取引先からの製品や購入に関する問い合わせが発生するのが一般的です。そのため、チャットボットでスタッフによる問い合わせ対応を代替するケースが多くあります。
すでに多くの企業でチャットボットの導入は進んでいますが、チャットボットへの問い合わせログをもとにユーザーの本音やニーズを分析し、商品開発を行うという活用方法もあります。
ユーザーの対話ログから、ユーザーのニーズや不満など、本音を知ることができるので、それを次の商品企画考案の際に活かすことで、既存商品の見直しや、新たな商品開発につながります。
さらにチャットボット利用後に、ユーザーに対して「いまの回答は満足しましたか?」と満足度を問うアンケートを実施する方法があります。ユーザーが「不満足」の評価をつけた回答に対しては、打開策を考えることでチャットボットの回答精度向上とともに、商品開発へ活用できるケースもあります。
実際にチャットボットを導入し、その会話ログを活用することで、商品開発に活かした製造業の事例をご紹介します。
季節用品の製造卸・製造業の事例
ある季節用品の製造卸・製造業者は、繁忙期に消費者からの問い合わせが集中し、本来の業務への対応もしづらい状況でした。そこでチャットボットを導入したところ、問い合わせ対応の負荷を半減することに成功し、業務集中時のさまざまな負荷が軽減されました。
同時に、消費者から問い合わせのあった内容をヒントにすることで、新商品開発につながりました。実際に新たな素材を使った新商品の発売が実現しました。
化粧品・食品製造会社
ある化粧品・食品製造会社では、オリジナルの商品を開発・製造し、ECサイトでの販売を行っています。コロナ禍で売上が増加したと同時にコールセンターへの問い合わせも増加し、スタッフへの負荷が増えていました。そこで、よくある問い合わせに対応するためにチャットボットを導入。コールセンターへの問い合わせ負荷が減り、一定の効果が現れました。さらに、チャットボットに寄せられた問い合わせログより、新たな顧客ニーズの発見をし、商品開発に活かすことができました。
チャットボットは、AI技術の急速な進化とともに、その役割をさらに拡大していくことが予想されます。
●より高度な対話と業務の自動化
今後のチャットボットは、単に質問に答えるだけでなく、より複雑な文脈を理解し、能動的に情報を提案する「アシスタント」としての役割を強めていきます。特に生成AIとの連携は、その可能性を大きく広げます。 例えば、現場の作業員が「過去の類似トラブルを要約して」と指示するだけで、チャットボットが膨大な作業日報を分析・要約し、解決策のヒントを提示してくれるようになるでしょう。これにより、問題解決の時間が大幅に短縮されます。●IoTや基幹システムとの連携強化
製造業のDXにおいて鍵となるのが、データ連携です。今後は、チャットボットがIoTセンサーや基幹システム(ERP、MES)とシームレスに連携することが当たり前になります。 工場のセンサーが異常を検知すると、即座にチャットボットが担当者にアラートを送信し、同時に必要な対処マニュアルを提示します。また、「A部品の在庫を確認して、足りなければ自動発注して」といった指示をチャットで行うだけで、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と連携して受発注業務まで完結させるなど、業務プロセス全体の効率化と自動化に貢献することが期待されます。こうした技術の融合が、製造業の競争力を支える重要な課題解決の鍵となります。
チャットボットは問い合わせ対応業務の削減のほか、製造業においては、会話ログ活用による商品開発に活かすこともできます。
会話ログの活用のためには、ログを整理し、可視化したり、分析したりすることが重要です。
リコーのチャットボットサービス「RICOH Chatbot Service」では、グラフィカルで見やすい管理画面をご用意しており、問い合わせの会話ログのデータを直感的なインターフェースで誰でも簡単に、自分自身で閲覧し、分析が行えます。
これに加えて、Enterpriseプランでは、分析レポートをリコー担当者がお送りします。利用状況の月次レポートや、改善アドバイス等や運用メンテナンスのサポートとなる分析レポートもご提示。これにより、より一層、商品開発に役立てられます。
製造業の方の導入実績も多い「RICOH Chatbot Service」は、会話ログを活かして商品開発を行いたい方におすすめのチャットボットです。ぜひお気軽にご相談ください。
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