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最終更新日:2025年12月15日

大学でチャットボットを活用すべき理由とは?
活用シーン、活用事例もご紹介

近年、企業でチャットボット導入が進んでいますが、大学や高校、幼稚園まで、あらゆる教育機関での導入も進んでいます。在校生や保護者はもちろんのこと、入学希望者にとっても便利な問い合わせツールとなっており、大いに活用できます。
今回は、大学などの教育機関におけるチャットボットの活用シーンや活用すべき理由、活用事例をご紹介します。

1. 大学におけるチャットボットの活用シーン

大学をはじめとして、専門学校、高校、中学校、小学校、幼稚園などでも、チャットボットの活用が可能です。こうした教育機関では、チャットボットを具体的にどのように活用することができるのでしょうか。ここでは大学を例に挙げ、チャットボットの活用シーンをご紹介します。

●入学試験等の問い合わせ対応 入学希望者にとって、入試の開催予定や学校の情報など、大学からの公式の情報を得ることは重要です。随時、質問事項が出るたびに電話やメールをしたり、FAQで一から探したりしていては手間がかかります。その点、チャットボットであれば、24時間、直接入力・選択すれば即座に回答が得られるので、便利に問い合わせが可能です。また、大学側にとっても、入学希望者の情報収集をスムーズに手助けできるほか、チャットボットで入学希望者の知りたい情報が載っているページへ誘導することで、公式サイトの巡回を促すこともできます。

●大学キャンパスの紹介 大規模な大学であれば、キャンパス内の案内や情報は膨大な量となり、入学希望者や在校生にとって、ホームページ上で探すのは大変なものです。チャットボットなら、知りたい情報を即座に取得できるので、時間の短縮にもつながります。大学側にとっては、大学生活を送るためのサポートができます。

●大学生活に関する問い合わせ対応 在学生や保護者からの大学生活に関する問い合わせにも、チャットボットなら簡単に応じることができます。よく寄せられる質問をあらかじめチャットボットに設定しておくことで、大学側の問い合わせ対応の工数削減にもつながります。

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2. 大学でチャットボットを活用すべき理由

大学などの教育機関においては、チャットボットの活用が有効です。どのように役立つのか、その理由をご紹介します。

●入学希望者に対し、スムーズな情報提供が可能となる 学校側にとって、入学希望者は逃したくない存在です。チャットボットでスムーズな情報提供が可能になれば、学校に好印象を持ってもらうことができます。

●志望者との新たな接点となりうる チャットボットは、入学を希望する志望者との接点になります。問い合わせというと、電話やメールフォームなどが一般的ですが、敷居が高いこともあります。チャットボットでコミュニケーションができれば、それが新たな接点となるでしょう。

●在校生に対し、キャンパスライフのサポートとなる。 在校生に対しては、先述の通り、チャットボットでサクサク必要な情報を閲覧できるようにすることで、快適なキャンパスライフのサポートを行うことが可能です。

●問い合わせ対応負荷が減る これまでの窓口や電話、メールでの問い合わせ対応が一部チャットボットに移ることで、対応の負荷が減り、他の業務に集中することができます。

●入学希望者や在校生のニーズが拾える チャットボットで寄せられる質問のログを収集していくうちに、入学希望者や在校生の知りたいことやニーズを拾うことができます。拾ったニーズに基づき、Q&Aを追加してチャットボットの精度を高められるほか、新たなサービスを提供することも可能です。

●窓口の密の回避につながる 新型コロナウイルス感染症の感染予防対策の一環として、大学の事務窓口の密を回避する必要があります。そのような中、チャットボットによりオンライン上で問い合わせ対応ができるようにすれば、窓口にやってくる人の数を減らすことができます。

3. 大学でのチャットボット活用事例

実際、大学ではどのようにチャットボットを活用しているのでしょうか。ある大学の事例をご紹介します。

●導入前の課題 コロナ禍により、大学と入学希望者とのコミュニケーションの機会・接点であった学校説明会やオープンキャンパスなどの機会が厳しく制限される状況にありました。ちょうど春先の学生募集の時期は非常に重要なタイミングであり、何とか入学希望者との代替のコミュニケーション手段が必要でした。
また、Webオープンキャンパスのサイトを開設したため、そこから大学ホームページへスムーズにアクセスしてもらう仕組みも必要でした。入学希望者のWeb上の行動ログをとり、より出願者を増やしたいという希望もありました。

●チャットボットの導入理由 これらの課題から、チャットボットの導入を検討しました。Webオープンキャンパスから大学ホームページへの適切な誘導や、大学ホームページ内での情報の交通整理のために、最適なツールと判断したためです。そこで、早期に立ち上げ可能で、導入や運用に際して専門知識が不要で簡易なチャットボットを選んで導入しました。

●チャットボット導入後の効果 入学案内の中から重要な事項をピックアップし、それを基にして実際に入学希望者から質問として挙がりそうな項目や回答をQ&Aとして設定しました。

その結果、入試関連の質問が多く寄せられ、コロナ禍における代替コミュニケーションとしての効果を出すことができました。また、チャットボットを経由した、大学ホームページ上の必要な情報へのアクセスが増えました。さらに、チャットボットにより、入学希望者の行動ログを把握しやすくなったのも効果の一つでした。

4. 大学向けチャットボット導入の5ステップ

以下ではチャットボット導入の主要な5ステップを解説します。

ステップ1:現状分析と目標設定(KPI設定)

現在の学内問い合わせ窓口の状況(電話、メール、対面)を分析し、教職員の対応負荷が高い分野を特定します。特に受験生や在校生からの頻出質問をデータとして収集し、「問い合わせ対応の自動化率向上」「教職員の対応時間○%削減」など、具体的なKPIを設定します。この段階で、対象を受験生向け、在校生向けなどに絞り込むことも重要です。

ステップ2:製品選定と要件定義

設定した目標に基づき、必要な機能(多言語対応、LINE連携、学内システム連携など)を定義します。チャットボットの種類(AI型、ルールベース型)や提供ベンダーを比較し、トライアルを利用して実際の応答精度を確認します。特に、豊富な導入実績がある大学向けのサービスを選ぶことで、運用後の支援も期待できます。

ステップ3:コンテンツ(FAQ)作成と学習

選定したシステムに質問と回答のデータを投入します。ステップ1で収集した頻出質問を基に、正確で分かりやすいFAQを体系的に作成します。AI型のチャットボットの場合は、このデータを利用してAIを学習させ、精度の向上を図ります。質問の意図を正確に理解し、解決へ導くためのチューニングが必要です。

ステップ4:試験運用と改善(PDCA)

一部の部署やユーザー(例:教職員や特定の学内グループ)を対象に限定的な試験運用を開始します。この段階で、利用者からのフィードバックを収集し、回答精度の低い質問や、回答にたどり着けないユーザー体験(UX)の問題を特定し、迅速に解決します。

ステップ5:本格展開と効果測定

試験運用での課題解決後、全学内へと展開を推進します。導入後も、チャットボットの利用ログを継続的にデータ分析し、「どのような質問が現在も自動化できていないか」を検索し、FAQの更新やシステムの再学習を繰り返すことで、持続的な向上を目指します。

5. 大学でのチャットボット導入の効果を最大化するポイント

チャットボットの導入効果を最大化するためには、単なる問い合わせ対応の自動化に留まらない戦略が必要です。教職員の支援と学生の利便性向上の二軸で推進することがポイントとなります。

学生が使いやすい利用環境の整備

学生が現在最も利用しているプラットフォーム(LINE、Teams、学内ポータルサイトなど)にチャットボットを連携させることが、利用率向上の鍵です。特に受験生向けには、スマートフォンで手軽に質問を解決できるWebサイトへの設置が効果的です。また、データ分析により、受験生向けと在校生向けで質問内容が異なることを踏まえ、検索結果や回答の粒度を最適化します。回答内容が誤っていたり、専門用語が多かったりすると、学生の利用意欲が低下するため、学生目線での回答精査を徹底します。

データの活用と組織的なDXの推進

チャットボットのデータログは、現在の学内業務におけるボトルネックを特定する貴重な情報源です。「自動回答率が低い質問」=「既存のFAQや学内情報で解決できていない問題」と捉え、情報公開のあり方や、業務フロー自体の改善に役立てます。このデータを利用して教職員が継続的にサービスを改善していく体制こそが、DXを推進する上で不可欠です。チャットボットを、単なる自動応答ツールではなく、業務改善の支援ツールとして位置づけることが、効果最大化につながります。

6. チャットボット導入後の職員の業務と役割はどう変わるか?

チャットボット導入は、教職員の働き方に大きな変革をもたらします。単純な反復業務から解放され、より付加価値の高い業務へシフトすることで、学内のDXを本格的に推進することが可能になります。

単純な問い合わせ対応から解放される

現在、教職員が対応している問い合わせの多くは、「履修登録の方法」「証明書発行手続き」「学内施設の利用時間」など、回答が定型化されたものです。チャットボットの自動応答機能により、これらの質問対応に要していた時間は大幅に削減され、教職員の業務負担が解消されます。これにより、教職員は空いた時間を、学生個別の課題解決や、制度設計、キャリア支援といった、人が介在することで価値が向上するクリエイティブな業務に振り分けることができるようになります。

「チャットボット運用者」としての新たな役割

導入後、教職員には「チャットボット運用管理者」という新たな役割が生まれます。主な業務は、チャットボットのデータ分析とコンテンツ改善です。具体的には、利用ログから自動で解決できなかった質問を定期的に検索し、回答精度の向上を図るためのFAQの更新やチューニングを推進します。また、学生や受験生向けに提供するデータが現在の情報と合致しているか、学内の最新情報に合わせて内容を更新していく業務も重要になります。このデータ利用による継続的な改善活動が、質の高い支援サービス提供の基盤となります。

7. まとめ

大学をはじめとした教育機関において、チャットボットが活躍するシーンやメリットは豊富にあります。教育機関におけるチャットボット導入を検討される際には、早期に立ち上げ可能で、導入や運用が簡単に行えることに加え、大学などの実績も豊富なRICOH Chatbot Serviceがおすすめです。ぜひお気軽にご相談ください。

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